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進学通信No.68-近畿大学附属中学校・高等学校
23
3月
  • 進学通信No.68-近畿大学附属中学校・高等学校
  • 2018 . №68 . 校長インタビュー . 近畿大学附属 . 進学通信 .
「一人ひとりが幸せに生きる」
そのための根底を築くのが教育
PROFILE

大阪府出身。大学卒業後、1 9 8 1 年に近畿大学附属中学校に赴任。国語科教員として教鞭をふるい、教務部長、教頭を歴任。2014年より同小学校校長・幼稚園園長を3年間務め、2017 年春、高等学校・中学校校長に就任。幼稚園・小学校・中学校・高等学校すべての現場を経験した校長就任は歴代初となる。

先を見すえた教育で、子どもたちの生きる力を伸ばす

大学卒業後、33 年間ずっと中学校・高等学校の教員として子どもたちを見てきました。その後、小学校校長、幼稚園園長に就任し、3年ぶりに古巣である本校に戻ってきたのですが、園児や小学生と過ごした3年間は、私にとって驚きと感動の毎日でした。

それまでの教員人生の中で、中学生よりも年齢が下の子どもたちと向き合う経験がなかったので、中学1年生が私にとっての教員のスタート地点であり、中学入学以前の9年間のことは想像すらしたことがなかったわけです。しかし、すべての教育課程の生徒と関わる経験をさせていただいたことで、「こんなことを学び、体験しながら中学1年生に成長していくのか!」と私の中で、腑に落ちる点が多々あり、目指すべき教育の在り方が体系化され、一貫教育の重要性を再確認する好機を得たのです。

それと同時に、めまぐるしく変化する現代社会で、子どもたちが生きていくためにはこれまでの教育だけでは不十分だと感じるようになりました。大学入学をゴールとした「大学受験のための教育」だけではなく、その先10 年後、20 年後の社会で生き抜くための力をつける「先を見すえた教育」が、今後ますます重要になってくるのではないでしょうか。

次代の学びを切り拓く『21 世紀入試』の導入

国が教育システムを改革している中で、教育現場も変化を求められています。その最たるものが『大学入試改革』です。知識を与えてアウトプットさせる教育の集大成が大学受験で、センター試験はまさに高度な「情報処理能力」が問われる代表格ですよね。しかし、情報があふれている現代では、自分に必要な情報をピックアップしていかに活用するかという、いわゆる「情報編集能力」のようなものが問われています。時代とともに、求められる能力も変化しているわけです。

ただ、この「情報編集能力」も素地となる知識がないと活用できませんから、当然従来の知識や技能を習得させる教育も不可欠であるので、教育の改革は、決してこれまでの学習を否定するものではないということです。しっかりと知識を蓄えさせることも大事。そして、その土台の上に、思考力や表現力を磨いていく。これからの教育には、これらの「情報処理能力」「情報編集能力」両方の学習のバランスが求められているといえるでしょう。

本校では、平成30年度入試から『21 世紀入試』という新しい入試制度を導入します。従来の学力テストとは別枠で、「生きる力」「創造力」の育成の基礎となる「継続力」「自己表現力」などを評価の対象とし、従来の入試制度では発見できなかった子どもたちの可能性・潜在能力を見つけ出すことを目的とした試みです。

「自立した学習者」が世の中を良くする

「先を見すえた教育」とは、具体的には何を指すのか。それは、端的に申し上げるなら、「後伸びする力」だと思います。「後伸びする力」とは、「自分の可能性を自分で掘り起こすことができる力」のことです。

今の私学に通っている恵まれた環境の子どもたちは、言い方が悪いかもしれませんが、ヒナが口を開けてエサを待っている状態です。今はそれでいいかもしれませんが、大学や社会でその姿勢は通用しません。チャンスは身の周りにたくさんあります。いろいろなことに興味を持ち、自分で行動して、チャンスをつかむか否か。そのために絶対必要なのは、自分がどうなりたいかという「主体性」であり、その実現に向けて粘り強く取り組むための「自己肯定感」です。「失敗しても、やればできる!楽しい!」という成功体験を学校生活で何度もくり返し経験させると、生徒は自分の力の伸ばし方を覚えます。教員の役割は、山に登るための適切なアドバイスはしますが、その子を山の上に連れていくことが目的ではありません。〝登り方〟を教え、最終的には1人で登れるようにすることが使命なのです。つまり、目標や夢を見つけた時に、「自分でかなえていける力、なりたい自分になれる力」を身につけさせる教育をしていかなければなりません。

そのために本校では、生徒自身が考えたり選択する機会を多く与えています。大学と連携した授業やプログラムもその一つです。実際に体験して知ることで、大学でどんなことを学び、どんな人間として世の中で活躍したいかのビジョンを描いてもらう。そして、学ぶことの意味を子どもたち自身が見出し、学習意欲を自分自身で高めていくのです。大学合格のためではなく、一人ひとりが幸せに生きるための根底を築くものが教育だということを子どもたちに肌で感じてほしい。「世のため、人のため」の自己犠牲の精神ではなく、各自が自分の幸せを追求し、周りと協働しながら、より良く生きていくことで、結果的に世の中がどんどん良くなっていく。そのような発想力を持って生きていってほしいのです。

この考えのもと、後伸びできる力を持った「自立した学習者」を、6年間の教育の中でしっかりと育てていくことが大切だと思っています。そういった取り組みが、既成概念を突破し、新たな価値観で未来を創る、社会に貢献できる人材の育成へとつながっていくと考えています。全教職員が「考える」集団として、生徒たちに自分自身で選択する場面を提供し、授業や行事、部活動など学校生活のすべてをトレーニングの場として工夫していること。そして、最先端のICT 教育環境・近畿大学との連携など、目標を具現化するさまざまな教育環境が整っていること。それこそが本校の一番の魅力ではないでしょうか。

受験生へのメッセージ
私は「自立した学習者」という言葉をよく使います。自分はやればできる!という気持ちで、何ごとにも自主的に取り組むことができ、自分の可能性を掘り起こす力を持った人のことです。本校で鍛錬して、ぜひその力を身につけてください!きっとあなたの一生の財産になるはずです。
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