What's new / 進学通信掲載記事 / 進学通信No.68-滝川第二中学校・高等学校

進学通信No.68-滝川第二中学校・高等学校
23
3月
  • 進学通信No.68-滝川第二中学校・高等学校
  • 2018 . №68 . 校長インタビュー . 進学通信 . 関西大学中等部 .
三つの校訓と伝統の校風のもと
真にグローバルな人物を育む
PROFILE

1942年、兵庫県生まれ。高校・大学を通じてフランス語を学ぶ。フランス留学後、母校である暁星学園高等学校でフランス語科教諭を務めながら、大学院修士課程を修了。聖心女子大学講師、上智大学文学部教授などを経て、1990年に学校法人瀧川学園理事長に就任。滝川第二中学校の設立に携わった。2017年4月より現職。

全人教育を根幹に据え“楽しく通える学校”を目指して開校

私は瀧川学園の理事長に就任する1990 年までの20 余年、中高・大学で教員を務めていました。人見知りをするタイプだった私ですが、生徒・学生と接するうちに教えることの面白さを知り「子どもたちのそばにいて、成長を見守る教員でありたい」という思いを抱くようになったことを覚えています。

教員生活を通して実感したことは、一般教養をはじめ、大学・大学院で学ぶうえでの土台を築くという中等教育が果たすべき役割の重要性です。そこで滝川第二中学校開校に向けては、教員たちと「人間教育を根底に据えた学校をつくろう」と熱く語り合い、その実現に向けてアイデアを出し合いました。

中学校開校当初から取り組んでいる毎週水曜午後の『スペシャル・ウェンズデイ(SW)』は、その方向性を体現したものです。自主性や想像力、自然科学などに対する興味を引き出すことを目的とし、農園芸体験、福祉施設訪問、華道教室、芸術鑑賞といったさまざまな体験学習のほか、キャリア教育の一環として、日本経済新聞のコラム『私の履歴書』を題材とした進路探究プログラムや、企業から出されるミッションに取り組む企業探究プログラムなどを実施しています。

私が学校づくりにおいて最も大切にしていることは、「明るく楽しい場所であること」です。そして本校では、教科学習だけではない、こうした“遊び心”のあるカリキュラムの実践により、それが実現されているという自負があります。

気概に満ちた教員と魅力あふれる生徒の存在が本校の強み

本校が「明るく楽しい場所」であるもう一つの要素として、自分たちでよりよい学校をつくろうという気概を持った教員の存在と、学校を愛してくれている生徒たちの存在が挙げられます。教員は「学校が楽しい」「学校が好きだ」と口をそろえます。そんな教員のもとで学んでいるからこそ、生徒も学校を好きになってくれるのでしょう。

そうした校風を象徴するものが、生徒による広報組織『キャンパスナビゲーター』です。入試説明会やオープンスクール、小学生対象のイベント『キャンナビフェスタ』の企画・運営はもちろん、塾関係者の方々に向けた学校紹介のプレゼンテーション、出身の塾での学校PR など活動は実に多岐にわたり、その主体性や柔軟性、行動力には驚かされます。新入生へのアンケートでも、キャンパスナビゲーターとの出会いが学校選びの決め手になったという声が目立つほどです。

また、キャンパスナビゲーターの生徒に限らず、皆が気持ち良いあいさつができることも、本校の大きな特徴です。登下校時に会えば足を止めて「おはようございます」と一礼してくれる。これは1984 年の高校開校時からある、部活動に重点を置いた『C コース(スポーツ・芸術コース)』の生徒たちによってつくられた伝統です。中学校開校から13 年経ちましたが、歴史を重ねるごとに改めて「よい学校になった」と感じています。

グローバル社会で真に貢献できる人材を輩出するために

「真にグローバルな人物」とは、どのような資質を備えた人なのでしょうか。コミュニケーションツールとして英語力が必要不可欠であることは言うまでもありません。しかしそれ以上に大切なのは、日本についてよく知っていることではないかと私は考えます。日本は八百万の神の国であり、海外の文化・技術を取り入れ進化させることにより成長を遂げた国です。国際的な課題の収束を図るうえでは、そんな日本ならではのすぐれた柔軟性や許容力を世界に広く発信できる人が求められるのではないかと思うのです。ですから生徒たちにはぜひ、『SW』でも機会を設けている日本文化体験などを通じて、日本的なものの考え方を学び、身につけてほしい。そうすることで初めて異文化を理解できるようになり、本当の意味で多様性を受容できる人になれるはずです。

本校にはすでに、そうした多様性を受け入れる力が生まれる環境が整っています。まずは三つの校訓『至誠一貫』(誠実を貫く)、『質実剛健』(飾り気がなく強くたくましい)、『雄大寛厚』(雄大な人柄) です。母体である学校法人瀧川学園が、1918 年の設立当初から教育の根幹に据えてきたこの精神は、今の時代にこそ必要な考え方だと思っています。卒業式では必ず、「三つの校訓は生きていくうえでの指針となるので、自らを助けてくれるものとして、胸に刻んで巣立ってほしい」と話しています。

もう一つは、高校開校以来、勉強に重点を置いたコースと部活動に力を注ぐコースとを併設している本校において、ごく自然な形で醸成されてきた、多様性を認め合う気風です。生徒たちは日々、それぞれの目標に向かって「できなかったことができるようになる」小さな感動を積み重ね、その経験を糧に成長を遂げています。そうした姿によって、互いに刺激を与え合ってきました。毎年のように卒業式の答辞で、「部活動で練習に励むC コースの仲間を見て、自分たちは勉強を頑張らなければと思うようになった」といった言葉が聞かれることは、その証と言えるでしょう。

2016 年度から、生徒同士がより刺激を与え合える学校にしたいとの思いから、海外帰国生入試を新設しました。帰国生だけにとどまらず、さまざまな国の人々が集う場へと進化することにより、本当の意味でグローバルな人物を輩出できる学校であり続けることが、私の願いです。

受験生へのメッセージ
学校選びにおいて重視してほしいのは、その学校が自分にとって、学力を伸ばすと同時に、人として成長できる場所であるかということ。本校に入学したあかつきには、伝統の多様性に満ちた校風や独自の取り組み『SW』などを通じて、生きていくうえでの礎を築いてほしいと思います。
学校情報