生徒のころ、先生にとてもよくしていただいたんです。当時、英語に興味を持った私は、ひんぱんに質問していました。夜の8時ごろまで教えていただくこともありましたが、先生は少しもその時間を惜しまないんです。今度は私が今の生徒たちに同じ思いをしてほしいと思ったのがきっかけですね。
今も昔も、先生方の面倒見の良さみたいなものって、伝統的に変わらない。居心地がよくてとにかく学校が楽しかったし、充実していた。だから私も「戻ってきたい」って思えたんですよね。
その「戻りたい」っていう感覚、すごくわかります。私に至っては、ここで働きたいがために、教員の道を目指したくらいですから(笑)。
私の1学年上が、この2人だったんです。小野先生は生徒会長も務めていましたから、学年は違えど有名でした。でも、まさか一緒に働くことになるとは!
おそらく、教員のOG率はかなり高いほうではないでしょうか。こうして、職場としての母校を愛せるのは、気持ちの上でも職業人としても良いことだと思います。
よい意味で、生徒時代に戻ったような感覚になりますね。生徒と教員の距離が近いのは本校の特徴ですが、教員同士の信頼関係や結束力も抜群です。授業や生徒指導に対しても、団結してより良くしていこうという気持ちが常にあります。
私は高校からの入学でしたが、「ここは、3年間をかける価値がある学校だよ」って通っていた先輩が誘ってくれたんです。いま思い起こしてみても、本当にそのとおりだったと思います。大げさではなく、あのころ、学校のどこにいても、何をしていても、笑顔だった自分しか思い出せないんですよ。
私はテニスが大好きで、当時から体育の教員を目指していたのですが、テニス部があって体育の教員免許が取れる進路(系列の園田学園女子大学)があったのが理由です。
私の母が園田OGで、中学受験のときに強く勧められたので安心感もあり、他校は受験しませんでした。当時の母も、いまの私たちと同じ気持ちだったのでしょうね。
ハワイへの修学旅行です!
私たちもそうですが、今の生徒たちもほとんどこれを挙げるんじゃないでしょうかね。
ホノルルのフェスティバルに参加して、2kmの道のりを踊りながらパレードするのが恒例行事なんです。そこに向け、約1年かけてハードな練習を積むのですが、まあこれが苦しさの連続(笑)。
先生もとても厳しく指導するうえ、全員がきちんと踊れるようになるまで、とにかく連帯責任です。誰かがミスすれば全員でやり直し。その時は辛さだけを感じますが、終わってみれば間違いなく全員がこう思うんです。「これほど協力することの大切さが心にしみ込み、友人との信頼・友情が深まる機会は、人生においてもそうそう経験できない」と。
連帯責任はありますが、誰かのミスや遅れを責めるような風潮はいっさいありませんからね。失敗をみんなで悲しみ、成功をみんなで喜ぶ……最も本校らしさが表れるのも、このときだと思います。
これがあるから、修学旅行も「楽しかった」だけで終わらず、自らの劇的な成長を強く実感できるんです。このすばらしい、涙が出るほど心揺さぶられる体験を生徒たちにも伝えたい。私たちがOGであるからこその使命だと思います。
生徒たちに「意思表示を恐れないで」と伝えたいです。一般的に、現代の子どもたちは、嫌われることを極度に恐れ、自分の言いたいことが言えない息苦しさを感じていると言われます。そこから解き放ってあげたい。「あなたはあなたであっていい」と。それができるのが本校なのですから。授業においても発言の機会を多く作り、そしてその意見をきちんと認めることを大事にしています。
自分の意志で行動できる人に成長してほしいですよね。
「昔に比べて最近の子どもたちは少し元気がない」という声も聞かれます。だからこそ、私たち教員が誰よりも楽しそうに、元気にしている姿を見せなくては。そういう気持ちを抱けるのも、本校だからこそだと思います。
キーワードは「好き」でしょうかね。とにかくアットホームですから、まず「学校を好きになれる」。そして、先生も友達も、先輩・後輩も含めて、「人を好きになれる」学校だと思います。
同感です。付け加えるなら、そんな学校だからこそ「自分のことも好きになれる」ということですね。
いま、私たちもこれだけ楽しみながらこのインタビューに答えています。母校の話をするときって、いつも笑顔になっている自分に気づいて、ハッとすることがとても多いです。貴重な青春時代に、私たちと同じ感動をあなたたちにも届けたい。一緒に学べる日を楽しみにしています。
2017年4月、新校舎が完成。またここから、新しい友情物語が紡がれていく。