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進学通信No.67-四條畷学園中学校・高等学校
29
5月
  • 進学通信No.67-四條畷学園中学校・高等学校
  • 2017 . No.67 . 四條畷学園 . 大学合格力強化計画 . 進学通信 .
四條畷学園
右から中司先生、畑井先生、蘆田先生。生徒への思いとその結束力はどこにも負けない。
2017年春・6年一貫コース大学合格実績
卒業生33名
大阪大学 1名
神戸大学 1名
その他国公立大学 2名
関西大学 6名
関西学院大学 4名
同志社大学 6名
立命館大学 2名
「システムは特にない」のに阪大・神大・大阪市大へ

「特別な進路指導システム?うーん、本校の場合、そういうのは特にないんですよね」

中司延亮先生は、困ったような、しかし確かな自信が垣間見えるような笑みを浮かべてそう答えます。四條畷学園が中高一貫コースを創設して7年。この3月、コース2期生たちが高校を巣立っていきました。しかも、大阪大、神戸大、大阪市大ほか、医学部などへの合格という大きな置き土産を残して。しかし、特別な制度や受験メソッドを取り入れているわけでも、有無を言わさずガンガン勉強ばかりをさせているわけでもないそうです。いったい何が同校に、これほどの合格実績をもたらしたのでしょうか。「強いて言うなら、キーワードは『チーム』だと思います」

と語るのは、文系クラス担任の蘆田亮介先生。同校の6年一貫コース高等部では、なんと先生全員が進路指導部に所属しています。「進路対策は進路指導部の仕事」と任せてしまうのではなく、一人の生徒に対し一貫コースの先生が全員で進路指導にあたるのです。懇談も、親・子・担任に加えて、クラスを持たない中司先生まで交えた4~5者面談を行うなどの徹底ぶりで、気付けば3時間が経過していることさえあるそう。それ以外のときも、時間さえあれば、先生同士で「あの生徒には、こんなフォローがいいのでは?」「ちょっと悩んでるみたいだ」などと議論や情報交換に発展するといいますから、その一体感と情熱には驚かされます。とにかく、生徒一人に注ぐ内容と時間が桁違いなのです。しかし過干渉になるのではなく、生徒の自発性を促し、バックアップするのが基本姿勢なのだそう。

理系クラス担任の畑井出先生は、「生徒にはいつも『受験はチーム戦だ』と伝えています。チームワークの良さは生徒同士にも浸透しているんです」と教えてくれました。

たとえば、高3の3学期になると、ほとんどが受験に向けて家庭での学習が中心となり、登校の必要がなくなりますが、約7割の生徒たちが学校にやって来ては、一緒に勉強したり、先生に質問したりしているそうです。受験時期が早い(9~11月頃)防衛大学校に合格した生徒は、もう受験勉強の必要がないにも関わらず朝から登校してきて、体育大学に進学する生徒とランニングをし、みんなが勉強しやすいように教室の掃除をし、さらに引き続き一緒に勉強もして帰っていく毎日を送っていたそうです。「少人数クラスで生徒同士の団結力が強く、行事などを通じてさらにチーム力が高まっていくので、受験もその一環だという感覚なんでしょうね」

と、蘆田先生は笑います。それだけ「みんなで合格するぞ!」という仲間への想いが、当然のように醸成されているのです。

進路指導室はいつも生徒たちでにぎわう。しかし、教室でも廊下でも、あらゆる空間・機会が進路指導の場となる。

生徒の自立を育む『自分プロジェクト』

受験対策としてやっているわけではありませんので、進路指導システムというには少し違いますが、『自分プロジェクト』の影響は大きいと思います」(中司先生)

『自分プロジェクト』とは、同校の特色ある教育のひとつで、週2~5時間のチーム学習を通して「理解力・思考力・編集力・伝達力・問題解決力・実践力」を育むもの。これらを総称して「実現力」と呼び、さまざまな取り組みを行っています。社会との接点を数多く持たせながら、PRや商品開発に取り組んだり、自分の興味があることを探究して研究論文にまとめたり。こうした教育を何年もかけて積み重ねることで、生徒たちの内側から「将来、こんな自分になっていたい」「こんな仕事をしてみたい」という強いモチベーションが生まれるのです。

そうなると生徒たちは、その自己実現を図るためには、どの大学や学部に行くべきかを真剣に考え始めます。『自分プロジェクト』の中では、希望進路について約2カ月かけてプレゼンする場を設けていますが、その過程でも毎日のように面談を重ねます。最終的には、極めて情熱的かつ論理的に「なぜその大学でないといけないのか」を語れるほどにまでなり、時に親と進路に対する意見が食い違うことがあっても、自分の言葉で堂々と志を主張し、理解を得るだけの強い説得力を見せるそうです。

先生が常駐する自習室。放課後には自学自習や進学講座もひんぱんに行われる。

たとえ京大に行ける力があったとしても…

同校の進路指導のもう一つの大きな特徴が、あくまで生徒の「行きたい進路」を最優先すること。学校としての合格実績などは二の次と考えています。『自分プロジェクト』などで育まれた“高いキャリア観”と“強い志”を持つ生徒たちは、もはや大学を偏差値やブランドだけで選ぶことはしません。もちろん、先生たちもチームでそれを完全バックアップします。「たとえば今年、大阪市大に合格した生徒は、数学のスペシャリストで、京大の特色入試(推薦入試)の条件を完全に満たしていました。しかし本人は、それよりも精神科医を目指したいと、その道の専門性が高い大阪市大を選んだのです。もったいないと感じることもありますが(笑)、私たちはこれでいいと思っています」(畑井先生)

先生同士、生徒同士、先生と生徒、それぞれが“チーム”となってみんなで勝ち抜こうとする結束力。「手厚さ」という言葉以上の手厚さ。「特別なことは何もしていない」と言う同校ですが、その思いと行動力こそ、何より特別なことなのかもしれません。

企業から課される課題に、グループで解決に挑む『企業インターン』。ここから社会や進路への関心を切り拓く生徒も多い。

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