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進学通信No.67-京都学園中学校・高等学校
27
5月
  • 進学通信No.67-京都学園中学校・高等学校
  • 2016 . No.67 . 京都学園 . 進学通信 .
京都学園
「6年間をフルに活かす」中高一貫教育の仕組み、在り方を明確化

“遊び心”というと語弊があるかもしれませんが、それを追求することで、中高一貫制度のメリットを最大限まで引き出すようにしています。試行錯誤もありましたが、ここ数年でようやく一貫教育の良さを活かしたカリキュラムが完成しました。京・阪・神大への安定した合格者が出るようになった近年の大学合格実績を見てもその成果は明らかで、私たちも自信を深めています」(中学部長・佐藤樹先生)

それまで高等部のみだった同校は、2000年に中学校を設立。果敢な挑戦で、独自の一貫教育の在り方を創り上げてきました。冒頭で佐藤先生が“遊び心”と称したのがまさにそれで、効果的・効率的な授業や受験指導体制とともに、学業以前の、すなわち生徒の内面性に目を向け、それを育てることに注力したのです。「たとえば『超英語』『超数学』といった、上位層対象の選抜授業を実施するなど、具体的な学力伸長対策も行っています。しかし、難関国公立大合格という成果を目指すからこそ、単に学習指導のみにとどまらないようにもしています。そこが本校の強みです」 と佐藤先生が言うように、同校の一貫教育カリキュラムは、多くの時間が教科学習以外の要素に割かれています。

6年間という長い時間を要するカリキュラムの中では、学習内容が重複してしまうこともあります。それは多少仕方のないことであり、一概に良くないこととは言えませんが、
同校ではそれをきちんと精査して余分をそぎ落とし、年間約80時間ほどの余剰時間を確保。その時間を生徒の意欲を生み出す探究型の学習や、キャリア観を育てる授業、あるいは行事などに充てたのです。「まずは、本校らしい6年一貫教育のあり方、『6年間をフルに活かす』という理念の明確化。これが一つ目の柱です。そしてそれに基づいた『心を育てる中高一貫教育』『将来像が見える中高一貫教育』という2つの要素の確立。これらをすべて合わせたのが本校の3本柱。それが、確かな合格実績の飛躍を生み出したカギなのです」

専用の自習室で自ら学ぶ力を高め、自己管理能力を高める『学園寺子屋』

「心を育てる」

同校が掲げる『心を育てる中高一貫教育』。ここでいう“心”とは、勉強や部活動に主体的かつ一生けんめいに取り組もうとする、基盤となる精神のこと。人としてのやさしさや強さ、くじけない心、感動する心、創造する心などを育て、それを土台にして学力を育むのです。

たとえば『地球学』『海外研修旅行』といった、体験・探究要素をふんだんに盛り込んだ取り組み(詳細後述)がそれにあたります。生徒の個性なども見きわめつつ、段階的にその深度を増していくことで、「知りたい!」という気持ちに火がついた生徒たちは、驚くほどの劇的成長を遂げるそうです。

「将来像が見える」

そして、3本目の柱、『将来像が見える中高一貫教育』。これは、生徒自身が「将来、社会で自分がどのような生き方をしたいのか」を考える視点を育むもの。「なりたい自分が見つかる・やりたいことが見つかる」をスローガンに、たとえば将来の仕事をイメージしたり、強いあこがれや夢を抱いたり、それに即した進路選びができる“仕掛け”を、6年間の中に散りばめているのです。

その取り組みはさまざまですが、中核を成しているのは、ここでもやはり『地球学』。そして『地球学』をベースに、生徒だけでなく先生もわくわくすることを大事にしています。夢を見ること、そのすばらしさを先生自身が
背中で示したいからです。「今年の地球学特別プログラムでは、種子島の宇宙センターを訪問します。これは『本校から未来の宇宙飛行士を生み出したい!』という、私自身の夢なんです。種子島を選んだ理由の一つがそれなのです」

生徒も先生も一緒に夢を見る。そうした大人たちの熱いカッコよさを真正面から見せつける。だからこそ生徒たちも本気で夢を育めるのでしょう。

京都学園の3本柱を創り上げる先進的で魅力的な取り組み
6年間をフルに活かす
心を育てる
将来像が見える
学ぶことと生きることがリンクする『地球学』

▲『地球学』はフィールドワークや調べ学習を通して自らの興味関心のコア(核)を育てる。

「地球規模でものごとを考える力を育てる」をスローガンに、同校が独自に構築した体験・探究型プログラム。教科の枠を超え、中学3年間をかけて実施する壮大な成長物語です。最初は身近な「京都」から学ぶべく、生態系と歴史の宝庫・深泥池を探索。次いで京丹波での農村民泊を経て京野菜などの文化を学びます。やがてそのステージは「日本」「世界」「宇宙」へと広がっていき「環境」「多文化理解」「平和」というグローバルイシューにまで学びを深めていくのです。

しかし、ただ“知る”“経験する”だけでは、心が育ち、将来像が見える一貫教育とは呼べません。また、興味・関心を夢や目標に置き換えるだけで、それがかなうわけでもありません。そのため地球学では、対象の調べ学習や統計などを経て、論理的に考え、まとめ、伝える思考力などのスキルも着実に育てます。中3では興味・関心に基づいて自由にテーマを設定し、半年かけて仮説と検証をくり返しながら、論文をまとめます。また、その論文発表は同校の一大イベントとなっており、予選→本選と勝ち抜きながらの、本格的なコンテスト形式でプレゼンテーションが行われます。これまでの入賞テーマは「地球温暖化の原因は本当に二酸化炭素か」など、先生も驚くほど斬新かつハイレベルな調査発表が毎年続出。「夢や目標をかなえられる」実力を着実に養うことで、より具体性・実現性を後押ししているのです。

▲『地球学プレゼンテーション大会』で、学びの集大成を一人ひとりが発表。

保護者も 一緒に学ぶ『教養講座』など

同校らしさを表すキーワードのひとつが“保護者との連携”。たとえば、月1回開催される保護者向けの『教養講座』では、生徒と一緒に地球学に参加したり、大学見学会を行ったり、勉強法の解説をしたり、時にはヨガ教室を開いたり。各クラスのブログも設置して広く情報公開をするなど、保護者と先生が二人三脚となり「共に子どもを育てる」「子どもだけでなく大人も学ぶ」姿勢を大切にしています。保護者からも「学生に戻った気分!」と好評です。こうした「学び続ける大人」の存在が、子どもたちの前向きな向上心を育てる一助にもなっています。

▲『教養講座』で行われた大学見学会の様子。

現地校で学びながら多文化共生を深める 『研修旅行』

▲『カナダ研修旅行(』中3次)。写真はレイク・ルイーズにて。

同校では伝統的に、修学旅行を『研修旅行』と呼んでいます。もちろんそれは、教育の理念がそこに込められているから。特に2017年度より開設した『GN一貫クラス』『GN探究クラス』では、カナダ・ノバスコシア州を訪れます。同地は地方都市でありながら国際交流に力を入れており、世界各国の人が集まる人種のるつぼ。

また、現地の教育委員会と提携し、生徒の英語力に応じて現地の学校6校の各学年(中2〜高2)に振り分け、現地で生の授業を受ける先進的な取り組みも。さらに『地球学』とも連動しており、これまで学んできた「日本」を紹介するプレゼンテーションも行います。

▲海外研修旅行では、ホストファミリーや交流校のバディと過ごす生活で中学2年間の学びを実践。

1年次、全てのクラスに
「Native + 日本人」のW担任を配置

朝礼から休み時間、終礼まですべて英語の環境で「聞く・話す・読む・書く」の4技能を飛躍的に鍛えます。ホームルームでの連絡事項も英語で伝達されるので、生徒たちは手元に手帳を開いてNativeteacherの声に耳を傾けます。日本人教員はしっかりと情報収集ができているか手帳を見て確認。充実したサポート体制でオールイングリッシュの環境へすぐに慣れていきます。

こんな学校です

1925年創立の伝統校。「世界の舞台に堂々と自分の意志で立ち、行動できる人を育てる」を建学の精神に掲げ、古くから国際教育に力を入れてきた。一方で、最難関クラスの大学合格者も着実に増加するなど、理念を土台にした人間力、その先にある合格力を着実に育んでいる。

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