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進学通信No.66-常翔啓光学園中学校・高等学校
24
5月
  • 進学通信No.66-常翔啓光学園中学校・高等学校
  • 2016 . No.66 . PICK UP TOPIC . 常翔啓光学園 . 進学通信 .
常翔啓光学園
「きょうだいがいない環境で育つ子どもが多くなっている今、自分よりも小さな子どもから頼られる経験をしたことが少ない生徒が増えています。『幼稚園交流』は、園児たちと触れ合うことで、思いやりの心を育み、頼られることによる自己肯定感を高める取り組みです」(岩村聡中学教頭)

数カ月前に技術の授業で苗植えをしたジャガイモ。今日まで大切に世話をしてきた。「どこにおイモさんがあるの?」「ここらへんを掘ってみようか」と仲良くイモ掘りをする姿が微笑ましい。

夏の『幼稚園交流』ではジャガイモ掘りを、秋にはサツマイモ掘りを行う。いずれも生徒たちが苗を植えて、畑の世話をする。

幼稚園バスから降り、園児たちを迎える生徒。「よろしくおねがいします!」。元気なあいさつで、夏の『幼稚園交流』がスタート。

『幼稚園交流』を終えた直後、4人の生徒にインタビュー。「小さい子と一緒に何かする機会はあまりないので、楽しかったです。今日、一緒にイモ掘りして、園児の目に土が入らないように気をつけてあげないといけないなと思いました」「園児の行動は予測できないので、班にこだわらず、皆が全体に目を配る必要があると感じました」「イモ掘りは園児が中心ですが、掘りにくい所もあるので私たちもスコップを持っていた方がいいですね」「畑には雑草がたくさん生えているので、事前に雑草を抜いておいた方がスムーズに収穫できそうです」など、気づいたことを話してくれました。

「お兄ちゃん、お願い」「任しとけ」。園児からバトンを受け取った生徒が全力でトラックを走る。白熱するリレーに、応援も盛り上がる。

イモ掘りの後は、食堂で昼ご飯を一緒に楽しむ。手洗いを手伝い、席に着いてからも、園児の行動を気にかけ「こぼさないようにね」と、やさしくリード。

1957年に中学校を開校し、進学校としての存在感を見せてきた同校。2009年にはグランドミッション“世のため、人のため、地域のために活躍できる人材の育成”および教育の理念“ユニバーサル社会を創造する人間の自覚と能力を育み、社会に貢献できる人材の育成”を掲げました。これからの時代が求める人材育成に取り組む同校の強い姿勢が伝わってきます。このような環境のもと、生徒たちは勉強やさまざまな学校行事に取り組み、日々たくましく成長しています。

なかでも中2の生徒たちの心の成長が見られる行事が、夏と秋に開催する『幼稚園交流』です。同校近隣にある『うみのほし幼稚園』の年長組の園児たちを迎え、校内にある畑でのイモ掘りやさまざまなレクリエーションを一緒に行い、小さな子への思いやりの心を育む取り組みです。

2016年6月に行った『幼稚園交流』は、午前中にジャガイモ掘りを実施。午後からは生徒と園児による混合リレーを行いました。2~3人の園児に対して生徒
1人がパートナーとなってサポートをします。少子化のため、きょうだいがいない家庭も多く、年少者の面倒を見る機会も減っています。そのため、生徒にとって園児たちとの触れ合いは大人が考える以上に心が躍るようで、『この取り組みが魅力』と入学する生徒も多いようです。「先日も、大学生になった卒業生たちが『幼稚園交流で出会った子たちは、どんな風に成長しているのかな。また、会いたいな』と懐かしそうに話していました」   (岩村聡中学教頭)

朝、生徒が校庭に並び、園児を乗せた幼稚園バスを出迎えます。車窓の向こうに見える園児の姿を見て、「かわいい」と生徒たちは思わず笑顔に。おぼつかない足取りでバスを降りる園児を手助けしようとする生徒の姿もありました。

「よろしくお願いします!」という元気なあいさつで、『幼稚園交流』がスタート。畑でのジャガイモ掘りでは、園児たちは砂遊び用の小さなスコップで収穫をはじめますが、雑草があるためなかなか上手に掘ることができません。「お兄ちゃん、草が邪魔や」と園児が言うと、男子生徒が「よし、草取するな。ちょっと待ってて」と勇ましく雑草を刈り取ります。その向こうでは「上手、上手。たくさんおイモさん掘れたね」と園児をほめる女子生徒の姿も見えます。畑の世話をしてきた技術家庭の教員もスコップで土を掘り返し、皆が掘りやすいようにさり気なくサポート。園児や生徒だけでなく、教員たちもまるで保護者のようにそのようすを見守っていました。やがて園児と生徒が力を合わせて、
段ボール箱6個分の男爵イモ、メークイン、キタアカリの3種類のジャガイモを収穫しました。

その後、食堂で一緒に弁当を食べる頃にはすっかり打ち解けた雰囲気に。あちこちに楽しそうな笑い声が響きます。

ランチタイムが終わると、皆、元気よく校庭に飛び出しました。いよいよ園児と生徒の混合リレーの始まりです。レースは、女子リレーと男子リレーの2レース制。それぞれ赤、青、緑の3チームで競います。小さな手でしっかりとバトンを握り、一生けんめいにトラックを走る園児からバトンを受け取り、全力で走る生徒たち。その顔は真剣そのもの。白熱するリレーに、敵も味方も忘れて声援を送りました。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、お別れの時間では校庭に「お姉ちゃん、大好き」「お兄ちゃん、ありがとう」という可愛い声が響きます。「また、秋に会おうね」「待ってるよ」と応えながら、園児を抱きしめる生徒たちの姿が印象的でした。

園児たちは、秋にも来学。少し成長した姿で再会を果たしたようです。

「秋に会おうね」「お姉ちゃん、大好き」。別れを惜しむ生徒と園児たち。

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