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進学通信No.66-東山中学校・高等学校
23
5月
  • 進学通信No.66-東山中学校・高等学校
  • 2016 . No.66 . アクティブラーニング . 東山 . 進学通信 .
東山
自ら考え、答えを導く力を引き出すアクティブラーニングを全教科で導入し、学校行事・生活指導ともリンクさせています。自分の将来を自分で決めることができる“セルフ・リーダーシップ”を育んでいるのです。

1868年の創立以来、真理を求める仏教の本質をよりどころとした人物を育む同校。伝統の教育は「自ら情熱と主体性をもって行動し、夢を実現させ目標を達成する力=セルフ・リーダーシップの育成」という形で現在に受け継がれています。

「セルフ・リーダーシップを育むためには、何事も能動的に取り組む、本当の意味での主体性が重要です」

と語るのは、副校長・福地信也先生です。主体性を育むため、生活指導面では自分の課題や目標を書き入れ、日々の学習や生活に生かす『夢をかなえる生徒手帳』を導入。

一方で、学習面ではアクティブラーニングを積極的に取り入れています。「以前から新たな気づきを促す授業には力を入れてきましたが、今年度からは、全教科でアクティブラーニングを意識して授業を行っています」

今回取材したのは、同校教員が見学するなかで授業を行う『アクティブラーニング公開授業』。中2の理科の授業で、“天気予報・天気に関することわざと大気圧”がテーマでした。
「アクティブラーニングの授業は、生徒たちが自分で考え、問題を発見し、答えを導き出すようなスタイルで進めています」

と理科・足立浩也先生が語るように、教員は知識を与えるのではなく、問いを投げかけていくスタイル。生徒たちはグループに分かれて、意見を出し合い、回答をまとめ、代表者が発表していきます。

授業後、生徒たちに感想を聞くと、「体験的に学ぶのでおもしろいですし、わかりやすいです」「みんなで意見を出し合うのが楽しいです」と、意欲的に取り組んでいたようす。同校の目指す主体性が養われていることが実感できる授業でした。

また、見学していた先生たちは、アンケート形式で授業の内容と効果を採点。その結果は学内で集約され、今後の授業展開に活用されます。このように同校では、アクティブラーニングの授業を組織的に運用することで教育効果を高めています。「近年、受験改革や教育改革が叫ばれていますが、そこで重要視されている主体性とは、本校がずっと大切にしてきた目標である“セルフ・リーダーシップ”のことだと考えています。確かな学力のうえにアクティブラーニングなどを通じた経験や気づき、学びを通じて、社会を生きていく力を育んでいきたいと思います」(福地先生)

未来を生きる子どもたちにICTで「変化への対応力」を

アクティブラーニングでは、複数の教員による授業デザイン作成が基本。教員がまず「なぜ〇〇なのか」を問いかけ、生徒たちの知的好奇心を引き出す。その後、グループのようすを見てアドバイスを送り、生徒自らが答えを導き出し、発表させていく。実験や発表など体験的な内容を盛り込むことで、積極的にものごとに取り組む主体性も育まれる。
「理科では、実験からどういうことが導き出せるかをグループで考察し、科学的に理解することを目的としています。アクティブラーニングを通じて、生徒たちは自分の感じた疑問を質問するなど、主体性や積極性が高まっていると思います」(足立先生)
『アクティブラーニング公開授業』を受講した生徒たち。「発表は緊張しますが、以前よりもしっかりと意見を伝えることができるようになったと思います」「アクティブラーニングの授業を通じて、理科がますます好きになりました」。主体性や好奇心が養われていることがうかがえる。

行事や生活指導と関連させつつ社会で活躍できる基礎力を養成

同校では、『アクティブラーニング』と並んで『アクティブトランジション』にも力を注いでいる。これは、継続力や自発性など社会で働くための基礎力を育むプログラム。その一環として、体育祭や文化祭などの学校行事を生徒主体で行っている。また生活指導においては『夢をかなえる生徒手帳』や10年先の自分を想定し記入する『10年カレンダー』を導入し、日ごろから自発性や計画性を養成。これらのツールを自身の考えや活動の振り返りに活用することで、気づきや学習内容の定着も期待できるという。今後は、3年間、6年間を日々振り返るツールも導入する予定。
組織的な展開により教育の質と効果をアップ

2016年4月、京都大学高等教育研究開発推進センター・山田剛史准教授を招き、教科横断型の『学習力強化プロジェクト特別委員会』を発足。この委員会では『アクティブラーニング』『アクティブトランジション』の2つの検討ワーキンググループを設置し、それぞれ定期的に協同勉強会を行っている。また、2017年1月には、外部の教育関係者が見守るなか公開授業を行い、授業内容について評価・検討して今後に役立てる『アクティブラーニング実践研究会2016』を開催するなど、アクティブラーニングを組織的に展開している。「生徒も教員も、見てもらうことが大切。効果的な授業にするためには、まず教師がアクティブラーニングとは何かを理解する必要があります。そこで、委員会組織を立ち上げ、教員同士の理解と教育効果の向上に取り組んでいます」(福地先生)
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