イタリアの地でカトリックの教えを基本に青少年の教育に携わる『扶助者聖母会(サレジアン・シスターズ)』を母体として、1959年に開校した同校。女子教育の長い歴史と伝統を持ち、2015年に“夢・実現度№1”をキャッチフレーズとして掲げ、『15改革』に取り組んでいます。「2015年は、本学園の創立者、聖ヨハネ・ボスコの生誕200周年となる記念すべき年でした。ドン・ボスコは、19世紀北イタリアで青少年の教育に生涯を捧げた尊い方。彼の教育精神や教育方法が受け継がれ、今では世界130カ国以上に姉妹校や施設があり、本校もその中のひとつなのです。ドン・ボスコの生誕200周年という記念すべき年を、どのようにして迎えるべきなのか。ドン・ボスコは、未来ある青少年をこよなく愛し、『君が若者というだけで大切に思う』と常に語っていました。若者を大切にすることとは、一人ひとりの個性を大切にして、夢を実現する力を育むこと。生誕200周年を機に、今まで以上に生徒たちに寄り添い、夢を実現する力を育む学園にしたいという思いで改革をスタートさせました。『15改革』は、2015年の15なのです」(宮脇道子校長)
『15改革』には【少人数指導体制の充実】【学習時間の拡充】【パーソナル進路指導体制の充実】という3つのポイントがあります。
【少人数指導体制の充実】として、中1から無理なく基礎学力を定着させて応用力を養うことを目的に、数学と英語で「α」「β」と名づけた習熟度別クラスの授業を行っています。
【学習時間の拡充】は、1時間目が始まる前の8時30分から15分間で「朝学習」を実施。さらに火曜と木曜に7時間目を設けて、数学、英語の特別講座を開講して発展系の問題に取り組みます。さら
に放課後は、「英語の広場」「数学の広場」「美術の広場」として教室を開放し、自主学習の場を提供。各広場には先生が待機しているため、質問もできます。
【パーソナル進路指導体制の充実】は、プレゼンテーションで自己表現力を養い、検定取得をサポートし、大学訪問や企業訪問などで夢を描き実現する力を養います。「『15改革』がスタートして約1年半が経ちました。道半ばですが、習熟度別クラスによる授業や朝学習の成果が出始めています。今後は、英語・数学だけでなく国語力も鍛える取り組みも始めたいと考えています」(宮脇校長)
ドン・ボスコは、「若者をただ愛するのでは足りない。愛されていることを若者自身に実感させることが必要」として“アッシステンツァ(共にいること)”を何よりも大切にしていたそうです。宮脇校長は『15改革』は、一人ひとりの生徒に、より深く関わり、共にいるための取り組みだと言います。愛され、大切にされて育った人は、やがて惜しみなく愛とやさしさを分け与える人になります。今までもこれからも、同校は愛とやさしさにあふれる人を育てる学びの園なのです。
改革に込められた思いを語る宮脇道子校長。
『聖歌合唱コンクール』では、1月末の開催日に合わせて、曲目、指揮者、伴奏者、練習日程など、すべて生徒が決めています。12月頃から学園のあちこちから練習の歌声が響き、そのようすは「城星の冬の風物詩」と言われるほどです。
毎年11月、幼稚園から小・中・高まで、全校生が力を合わせて盛り上がるのが学園祭『城星フェスタ』。模擬店や展示、各種発表など、すべて生徒が考えて実施しています。クラスごとにオリジナルTシャツを着るのも毎年恒例。デザインも自分たちで考えます。
『英語暗唱大会』は、中1~高2の全生徒が参加。クラスから選ばれた代表が中高合同の校内大会に出場し、優秀者は表彰されます。クラス代表者は必ずしも英語が得意な生徒ではなかったり、中1が優勝したりするのも、この大会の興味深いところ。
『イングリッシュキャンプ』は中1の春に実施しています。自然あふれる丹波篠山の研修所で3日間、オールイングリッシュでネイティブの先生と一緒に過ごします。最初は恥ずかしがっていた生徒も、次第に慣れて先生に話しかけるようになります。最終日には、先生のサポートを受けながら英語劇を制作して、発表します。
放課後の自主学習の場として「広場」と名づけて、教室を開放しています。先生が待機しているため「質問もできる」とたくさんの生徒がやって来ます。「自分から広場に行くのは勇気がいると思いますが、生徒たちは積極的に参加しています。学ぶ意欲にあふれているのは素晴らしいことです」(宮脇校長)