What's new / 進学通信掲載記事 / 進学通信No.64-松蔭中学校・高等学校

進学通信No.64-松蔭中学校・高等学校
17
5月
  • 進学通信No.64-松蔭中学校・高等学校
  • 2016 . No.64 . The Voice . 松蔭 . 進学通信 .
松蔭中学校・高等学校
温かな心の交流のある環境で「人としてすばらしい女性」を育てる
PROFILE

1964年生まれ。兵庫県出身。大学院卒業後、日本史の教員として同校に赴任。2010年には副校長、2016年度から校長に就任。味は旅行と渡航先の言葉を学ぶこと、遺跡めぐり。学生時代から今までに約16カ国を旅行。最も印象に残っている国はグアテマラ。

124年の歴史は本校に集う人と人の“魂の触れ合いの歴史”

今春、校長に就任し、就任のあいさつとして「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマの信徒への手紙)という聖書の中で最も好きな一節の言葉を選びました。「今までもこれからも、生徒たちと一緒にうれしいときは喜び、悲しいときは泣く。“いつも一緒に”という心を大切にします」という私の所信表明です。聖書の一節を好きな言葉として挙げると「クリスチャンですか?」と聞かれそうですが、私の実家は浄土真宗の寺院で、私自身はクリスチャンではありません。本校のような明治や大正時代に開校したミッションスクールは、当時はクリスチャンを増やすことを目的としていましたが、現在は、聖書から「人としての豊かな生き方」「ものごとのとらえ方」を学ぶという姿勢のキリスト教主義の学校なのです。

本校の124年の歴史は、教員と生徒、生徒と生徒が家族のように過ごし、「娘のように、妹のように」と慈しみ、どんなときも大らかな心で、誰にでも分け隔てのない大らかな心、すなわち“オープンハート”を忘れずに接してきた、魂のふれ合いの歴史と言っても過言ではありません。この歴史と伝統が校風となり、今も受け継がれているのは、「神様が、子どもたちに最善の道を示してくださり、本校の生徒になった」というキリスト教主義の学校ならではの考え方が根底にあるからです。この絆が強いことは、卒業生の多くが、ご息女を本校に入学させてくださっていることからもわかります。

「愛されていること「改善すべきこと」を知り進むべき方向を見きわめる

先般、本校の進むべき道を明らかにするために、生徒と保護者を対象にしたアンケートを実施しました。このアンケートから、オープンハートで、娘のように、妹のように接することで生まれる心の交流のある校風への満足度が高いことがわかりました。一方で、大学進学へのサポートが「改善すべきこと」として挙げられました。現在、中1から高3までの6年間を、2年ごとに『ジュニアブロック(中1・中2)』『ミドルブロック(中3・高1)』『シニアブロック(高2・高3)』に分けています。『ジュニアブロック』では、基礎学力を養い、『ミドルブロック』では、習熟度に応じた学習で得意を伸ばし、苦手を克服します。特に英語を伸ばしたい生徒を対象とした『英語特別クラス』もあります。そして『シニアブロック』で、各人が目指す進路の実現に向けて「国公立大文系・私大理系」「難関私大文系」「私大文系」の2コース・3種類のクラスに分かれて学びます。

入学時からコースを設定しないのは、感受性豊かな中高生時代の生徒は、さまざまな人や価値観と交わることが心の成長のために良いと考えたからです。今後はこのシステムをさらに充実させて、併設大学への内部進学や難関私大、国公立大に加えて、芸術、保育、医療看護系大学への進学も視野に入れたサポートにも力を入れて行きます。

大学進学サポートとともに、グローバル化への対応力の養成と強化が必要です。一昔前であれば、グローバル教育というと、一部のエリートが海外で活躍するためのものと考えられていましたが、現在は海外から日本へやって来る人たちへの対応力も求められています。そのために、英語の授業だけでなく、どんなときでも自分から興味を持って外国人に話しかける積極性が必要です。そのような力を養うために、ネイティブ教員による英語での朝礼や、昼休みにネイティブ教員と会話をしながら一緒にお弁当を食べる『イングリッシュアイランド』を実施しています。最初は恥ずかしがっていた生徒も回を重ねるたびに慣れ、自然に会話ができるようになっています。さらに留学経験のある生徒や、これから留学に行く生徒を対象としたハイレベルな『スーパーイングリッシュアイランド』もあります。今後は、美術や体育などの授業を英語で行う『イマージョン教育』も、取り入れていきたいと思っています。

女性特有の力を伸ばし“人としてすばらしい女性”に

校長就任後、4.5人ずつクラス委員長やクラブの部長を昼休みに校長室へ招き、「どんなクラスにしたいのか」「どんなリーダーになりたいのか」といったことについて話を聞く「リーダー面談」を行っています。この「リーダー面談」を通じて、リーダーとしての自覚を持ち、行動できる人物に成長してもらいたいと思っています。

私を含めて本校の教員は、生徒たちを、人としてすばらしい女性になってほしいと思っています。「人としてすばらしい」という言葉は、男性にも通用する言葉ですが、女性には男性以上に協調性があり、共感し、人に寄り添える心があると言われています。このような女性特有の力を大切にする人は、誰からも好かれるのではないでしょうか。

6年間でそれぞれの強みを伸ばして揺るぎない自信をまとい、女性として強く、たくましく、しなやかに生きていく力を養いたい。本校は、これまでもこれからもそんな学校でありたいと思っています。

受験生へのメッセージ

中高時代は、人生の中で最も敏感で多感で、成長する時期です。本校では、生徒一人ひとりに真剣に向き合い、夢やあこがれなど、さまざまな思いをしっかり受け止めます。卒業するときには、「松蔭で良かった。松蔭が大好き」と、笑顔で羽ばたいてほしいと思っています。

こんな学校です
1892年(明治25年)、現在の神戸北野異人館街に、英国国教会から派遣された宣教師たちによって開校されました。開校当初から現在も女子教育にこだわり、「娘のように、妹のように」を教育理念として、大らかな心で生徒たちを包み込む「オープンハート」な校風で、多く人材を輩出してきました。最近では、「女高生が社会を変える」というキャッチコピーで、高3の環境問題をテーマとした取り組み『ブルーアースプロジェクト』が注目されています。
学校情報