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進学通信No.64-関西大学中等部・高等部
17
5月
  • 進学通信No.64-関西大学中等部・高等部
  • 2016 . No.64 . PICK UP TOPIC . 進学通信 . 関西大学 .
関西大学中等部・高等部
中2で行われたディベートではさまざまな意見が。「文科省がICTを活用した教育活動に予算を注ぎ込むと、国際社会で必要とされる人材が増えるが、日本は多額の借金を抱えているので、お金を使う優先順位を考えるべきだ」「パソコンの学習効果は高いが、長時間画面を見ていると目の疲れや肩のしびれなど、心身に悪い影響が出てくるのでは?」

ICT委員会と生徒会が企画した『SNS研修』。中高全生徒からアンケートをとってLINEやTwitter、Facebookなどの認知度、使用度を示し、だれもが陥りそうな問題や失敗を寸劇で提起。パネルディスカッションでは、司会者の生徒が先生方にも意見を求めた。

“グループ外し”はLINEでブロックされた生徒の話。パネルディスカッションでは「SNSは相手の顔が見えないので“いじめている”という感覚が薄くなるのでは?」「いじめは受けている方が感じる時点で成立。陰湿な書き込みや無視は止めて、言いたいことは直接言葉で伝えた方がいい」などという意見が。

“待ち合わせに遅刻した“”LINEを読まなかった”ことから、Twitterで友だちに中傷されたという設定の寸劇。「状況説明をせず感情にまかせてつぶやくと、第3者に間違った認識を持たれてしまう」と危惧する意見、「TwitterやFacebookは、趣味の合う仲間が集まって情報交換できるから楽しい」という意見、良い面悪い面を知り、どうするべきかを考える。

「理科では、実験をiPadで動画撮影し、『この試薬を入れるとこうなりました』などと解説を入れて動画を保存。次の授業に生かしています」(理科・宮本裕美子先生)

自ら考え行動し、関西大学が目指す“考動力”ある人物を育む同校。電子黒板やiPadなどのICTツールを活用した授業で、課題や目的に応じて情報を収集、交換しながら、発想力や表現力、思考力、コミュニケーション力を高めています。

自らの考えをiPadの画面上に視覚化し、表現できるのがICTの強み。たとえば中3理科の授業では“作用・反作用”の法則をアニメーションで表現したり、紙で作った移動性高気圧を動かして前線の発生を表したり、DNAからタンパク質ができるようすを立体画像で追ってみたり、表現方法はさまざま。

それをクラスメートの前で発表することで、教科書では表現できない、多角的な学びが可能となるのです。
「理科の授業では、教科書の内容を詰め込むのではなく、グループで実験や観察をしたり、研究結果をまとめたり、話し合いながら多角的に考える力をつけています。発表を見ていると、生徒の発想は、我々の想像をはるかに超えるほど豊か。斬新なアイディアが次々と浮かんでくるようです」
(理科/考える科・松村湖生先生)「グループ学習で先生と話す機会も増えて距離が近くなりました。ロイロノート(授業支援アプリ)で友だちの理解度も確認でき、得意分野を教え合いながら、普段あまり話さなかったクラスメートとも仲良くなれました」「習った単元をプレゼンテーションするときは、質問にも答えなくてはいけないので、内容を完璧に理解し、知識を頭に深く落とし込むようになりました」

と、生徒たちも自分なりにiPadを使いこなし、その手応えを感じています。

9月からは中1と中2にも1人1台のiPadが導入されました。これに先立ち、ICTをより効果的に活用していくため、中等部では各クラス男女1名ずつ選任された『ICT委員会』が設置されました。その目的は、ICT活用のスキルだけでなく、自分たちで情報の検索や選択を行い、使用上のモラルも身につけてもらうためです。

5月にはICT委員会が企画した『SNS研修』が行われ、中高全生徒とLINEやTwitter、Facebookなど、SNSにまつわる問題を提起し、話し合いました。知らないうちにクラスのLINEグループからブロックされたり、約束の時間に遅れる、メールの返信がないなど些細なことをTwitterで中傷されたりと、だれもが加害者、被害者になりがちな問題。
“いじめられる側”“いじめる側”に分かれた生徒たちが、寸劇で問題を提起します。「SNSの怖さ・問題ばかりを取り上げたかったのではなく、便利なコミュニケーションツールとしての使い方を知るのが目的です。SNS上には間違った情報も多いので何でも鵜呑みにせず、自分が書き込みをするときは気をつけようと訴えたかったんです」(中3男子・ICT委員長)
「ICT委員になったのは、学校で禁止されているスマートフォンの使用を認めてもらえるよう働きかけたいから。遊ぶからとか、危ないからダメというのではなく、一人ひとりが自覚を持てば、学校生活でも有効に使えるはず」
(中3女子・ICT委員)

一方で「勉強に必要な情報はパソコンで十分。スマホを持ってきたら遊んでしまうだろうし、休み時間にも友だちとメールで会話するなら学校に来る意味がない」という中3男子も。他にも「SNSの問題点は今後もっと深刻になると思うので、継続して取り組んでいきたい」と冷静に分析する生徒もいます。この2人は中2のとき“ICT環境を全ての学校で充実させるべきか否か”をテーマに、文科省が取り組む教育の情報化の推進や、パソコンやタブレット端末の長時間使用による人体への影響などを調べてディベートをしました。「学校が使い方や情報を管理すると、思考力はそこでストップしてしまう。ICTに限らず、何が良くて何が悪いのか、自分たちで判断し、思春期にいろいろな経験をして、
あらゆる場面で“考動力”を持つ人物を社会に送り出したいのです」
(ICT担当・釈慶樹先生)

生徒にインタビュー

Q.ICTをテーマとしたディベートを行ってどうでしたか?
「個人的にスマートフォンは使ってますが、ICTとして大きな括りで考えたことがなかったので、調べるうちに興味が湧いてきました」
Q.iPadを使った学習の感想は?
「授業で板書の手間が省けた分、先生の説明が深まり、質問を送ればすばやく返信してくれるので学習意欲が上がります」「授業内容は家でもオンラインで取り出し、演習問題を印刷して反復学習しています」
先生にインタビュー

Q.ICTを活用することで、授業はどのように変わりましたか?
「宿題の提出はペーパーレス化。学習内容が共有できるシステム“まなBOX”を使って、生徒同士も情報交換しながら勉強しています」「ICTを活用するようになって表現力やコミュニケーション力が豊かに。たとえば、太陽系の広さをジェット機が進む時間と距離で比較し、画像やアニメーションを使って中3生にプレゼンした高1生もいます」「生徒たちはiPadを教科書やノート、辞書として毎日使っています。ICTを活用して生徒の頭の中をもっと動かしたいですね」
学校情報