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進学通信No.64-東山中学校・高等学校
15
3月
  • 進学通信No.64-東山中学校・高等学校
  • 2016 . No.64 . PICK UP TOPIC . 東山 . 進学通信 .

全体的に共学化が進む私学界。京都府下においても、私立男子校は現在わずか2校しかありません。そんな時代において、男子校としての在り方を自らに問い、変わらぬ信念でその教育を実践する同校。副校長の福地信也先生はその志をこう語ります。
「男子校として求められるものとは何でしょうか。つきつめて考えれば、私は“リーダーシップ”を育てることに行きつくと思います。世の中がどう変わっても、その時々にある問題を発見・解決していく思いと力を育みたい。そして、それに共感する人(フォロワー)を引き込み、まとめていく――そんな魅力と安心感のある男性になってほしいですね」


京阪神大、早慶大などにも多数の合格者を輩出する同校。しかし福地副校長はこう話す。「大学入試で人生が決まるわけではない。そこではなく『生き方』に焦点を当てる教育を」。人として生まれてよかった、と思える人生を生徒に歩ませてあげたいと言う。

福地先生のこの「世の中がどう変わっても」という言葉には、同校らしい強い意志が込められています。昨今、2020年の大学入試制度改革をめぐり、新しく入試で問われる思考力・判断力・表現力や主体性をどう鍛えるかが取りざたされていますが、それについても福地先生は、「真剣に教育を追求すれば、そうなるのは当然です。知識を伝えることも当然大事ですが、本校が伝えたいのは“生き方”なのですから」
と言い切ります。それだけ同校は変わらぬ人間教育をずっと貫いてきたということです。 例えば同校では“セルフ・リーダーシップ”“土台力”という考え方を大事にしています。“セルフ・リーダーシップ”とは、自ら情熱と主体性をもって行動し、夢を実現させ目標を達成する力のこと。「リーダーとして自律し、自分が自分を導く」と考えても良いでしょう。

●写真●自己実現する力を磨く『夢ナビ』(土曜特別講座)では、中1を対象に夢の見つけ方や叶え方を指導している。


 そのために重視しているのが「書き出す」という行為。10年先の予定まで書き込める『10年カレンダー』です。生徒一人ひとりに手渡し、10年後(中学から入学した生徒が社会に出る頃を想定)に果たしていたい夢や目標を書き込み、そこから逆算して短・中期の目標や課題を設定、さらにそれを『夢をかなえる生徒手帳』に書き出します。この手帳は、目標とそこに向けて具体的にするべきことを段階的に書き込めるようになっており、目に見える形にすることで、意識を顕在化させるのが目的です。
●写真●10年後までの目標を書き込める『10年カレンダー』。部屋に張り出し、くじけそうなときはこれを見て気持ちを奮い立たせる生徒も多い。心で思うだけでなく、目に見える形で目標を示すことは、心理学的にも効果があると言われている。


  また“土台力”は、セルフ・リーダーシップを支える基礎となる力のこと。土台力とは例えば、基礎学力はもちろんながら、発想力、継続力、体力、チーム力、男子力、感謝力……。他にも多種多様な「人間として、男性として強く生きる力」を想定し、それを育もうとしているのです。
社会が目まぐるしく変化し、新しい教育手法や道具は多数生まれていますが、それらはあくまでツール。教育の本質から決してブレない姿勢こそ、同校の教育。最後に、福地先生の語ってくれた言葉が印象的です。
「ダイヤを磨けるのはダイヤのみ。同様に、人を育てるのも人しかいません」


教育の本質に常に立ち返り続ける同校だが、時代を見すえた新しい挑戦も忘れない。その一つがロボット研究会(クラブ)の存在だ。生徒自らプログラミングし、意のままに動くロボットを作り上げる。国際大会に出場経験もあるほどの強豪でもある。オープンキャンパスで実施される『ロボット講座』に参加してその楽しさに目覚め、ロボット研究会に入るために東山に入学したという生徒は、当初は建築士を目指していたが、最近ではロボット工学の道に進むことも考えていると言う。


東山という、ある意味で最も京都らしいロケーションに根付く同校だけに、日本文化も大切にしている。茶道部はその一例だ。茶道藪内流の先生を招いて茶の湯をたしなむ。運動部と兼部して活動する生徒も多い。茶道部と聞くと「女子向け」という先入観がつい働きがちだが、そんなことはない。
「グローバル社会において、日本人として日本文化を知っておきたい」(Kくん)「作法を学べば、社会に出ても役立つはず」(Mくん)と、その入部動機の意識も高い。



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