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進学通信No.64-園田学園中学校・高等学校
14
3月
  • 進学通信No.64-園田学園中学校・高等学校
  • 2016 . No.60 . PICK UP TOPIC . 園田学園 . 進学通信 .

 同校では、2020年から始まる〝大学入試改革〟を見すえて、表現力や思考力、判断力、発表力を養うため、今年度より中1と中2で1人1台のiPad を持たせた本格的なICT 教育をスタートしました。先生と生徒、あるいは生徒同士がコミュニケーションを図りながら授業を進める、参加型授業を展開しています。

 中2の理科の授業を見学すると、生徒が “めずらしいセキツイ動物”について発表していました。ホワイトボードに画像や動画を映し出し、その動物の生息地や習性、行動などを説明する生徒たち。鳴き声や手描きのイラスト、ユーモアたっぷりのセリフなどが入り、見ている生徒も興味津々で画像が変わるたびに教室に歓声が響き、皆、授業にのめり込んでいきます。
「これまでは植物の観察記録などのスケッチで、細部の見落としも多かったのですが、iPad の導入でいろいろな角度から写真を撮影して保存できるようになりました。また、地震の揺れの伝わり方や速度について、インターネットで検索すると、地震の発生原因がイラストや動画で出てくるので、得た情報を皆で共有しながら授業が進められます」(理科・巽敬洋先生)


iPadを使用した授業では、生徒と先生、あるいは仲間と活発にコミュニケーションを図る、双方向型の授業が行われるようになった。皆が授業に参加するアクティブラーニングが可能に。


●写真左●中2の理科。アマゾンカワイルカやアルマジロトカゲ、アリバチなど、めずらしいセキツイ動物を調べて発表した生徒たち。動物の生態や行動を、画像に関西弁でセリフを入れたり、多彩な色遣いでイラストを描いたり、クイズ形式で紹介したりとiPadを自在に使い、バラエティー豊かな発想、演出で紹介。
●写真右●「教科書の指摘ページがわからないときもタブレットに画面配信しもらうとスムーズで、出遅れることがなくなりました」
「登下校の電車の中でもタブレットを開いて勉強できます」と生徒たち。プリント配布をなくし、重要ポイントや表・グラフを黒板に書く時間も省けるので学習効率が一気に上がった。「板書に没頭せずしっかり先生の話が聞けるし、Webドリルで勉強する量が増えました」「家でも毎日、授業内容の確認をしながら復習すると勉強が苦にならなくなりました」という生徒たち。


  発音の練習などiPad の活用率が高い英語の授業では、家族や幼い頃の写真や動画を映して英語で自己紹介すると、誰もが一生けんめいその内容を聴き取ろうと身を乗り出します。
「数学では、説明しにくい立体図形や、数列や数表に代表される数の規則性も画面上で可視化するとわかりやすいようです。1つの問題に対して、生徒から何通りもの考え方を引き出すことで、多様な考えを皆で共有できるのです」(数学科・吉村章先生)
 iPad を使うことで、他教科との合教科型の授業もスムーズにできるようになったようです。〝数学×体育〟なら、ゴールの仕方によって得点が違うバスケットボールの点数を計算。〝数学×国語〟では、つるかめ算の元になった漢文『孫子算経』の話をしたり、〝数学×家庭〟では食品の栄養素を調べてカロリー計算するなど、数学が苦手という生徒への心理的なハードルを下げた授業ができるのです。


「週1時間“ダンス”の授業があり、自分たちで考えた振り付けを撮影します。陸上部でも競技やフォームを動画で分析し、練習に生かしています」(写真左・吉村章先生)
「空き時間にWebドリルをさせています。長期休暇中も宿題をiPadで配信し、生徒はいつでも返信できるので、小さな達成感の積み重ねがモチベーションを上げています」(写真右・巽敬洋先生)

社会科ではグループで地理や歴史の問題を作成。生徒たちはどうすれば重要なポイントが伝わるか、良い問題になるのかを考え、でき上がった問題には皆で挑戦します。答えも以前は手を挙げた生徒しか発表できませんでしたが、ボードに全員の解答が映されるので自分なりに答えを書くようになり、一人ひとりの考えや理解度が一目でわかります。

国語の長文読解では、登場人物の心情や話の主旨を書いて黒板に意見を映しながら、各自が発表していきます。同じ物語を読んでも個々の感性の違いが出るので、読解力に深みが出るようです。『竹取物語』に出てくる5人の貴公子について、グループで分担して調べたときは、資料収集から発表まで積極的で、人まかせにせず、一人ひとりが自分の役割をしっかり果たしていたようです。iPadを用いてグループワークで話し合いながら進める授業が増えたので、皆が積極的に授業に参加する意識が高まったようです。



iPadを用いて問題を解くときは、グループで話し合いをさせている。「仲間と長所や短所を補い合えるし、作業もはかどります」「調べ学習の発表では、他のグループの考え方を知り、参考になります」と生徒たち。

 グループワークを代表するのが、中2の農村体験です。班ごとに岡山県高梁市の農家に泊まり、3日間農作業の手伝いや家畜の世話をします。携帯電話はもちろん、タブレットの持ち込みも禁止。便利な生活とは真逆の世界を体験します。しかし、農家の人たちとふれ合い、仕事を手伝っていく中で、その大変さ、ありがたみ、そして自分たちが普段いかに便利な生活をしているのかを知り、周りの人たちへの感謝の気持ちが生まれます。事前学習として行う岡山の農業についての調べ学習や発表ではiPad が大活躍します。アナログ×デジタルで教育の成果が生まれるのです。

 2017年4月から新校舎での学びがスタートします。インターネット環境をさらに充実させ、これまで以上に生徒たちが自主的に学ぶ意欲が育まれるような授業を計画中だそう。変化する時代に即した取り組みを行う、同校への期待が高まります。


プリント配布をなくし、重要ポイントや表・グラフを黒板に書く時間も省けるので、学習効率が一気に上がった。
「板書に没頭せずしっかり先生の話が聞けるし、Webドリルで勉強する量が増えました」「家でも毎日、授業内容の確認をしながら復習すると勉強が国ならなくなりました」という生徒たち。



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