『自分プロジェクト』では高校から、社会とのつながりを意識させる取り組みを積極的に実施。その一つが企業とのコラボレーションで、今年は『新商品の考案』、『駅に関するプレゼンテーション』など、企業からの課題に応える形でチームごとに発表を行った。「企業へのアポイントも生徒が行います。どの企業も熱心に対応してくださり、生徒は働くことのやりがいを実感しています」(中司先生)
社会で活躍する多様な職種の方による『社会人講座』を月1回開催。いろいろな見方、考え方に触れて自分の世界と、職業選択への視野を広げる機会になっている。
グローバル化や大学入試改革を見すえた独自のプログラムを展開する同校。大きな特徴は、それらが先進的に導入されており、蓄積したノウハウを活かしてプログラムを進化させることで、常に洗練された形で実践されている点です。
英語運用能力や広い視野、生きる力の養成を目的とした国際教育は、20数年前から注力してきたものです。ネイティブ教員による英会話教育の進化版として、2010年からは日本人教員とネイティブ教員によるチームティーチングで進める特別授業『Reading&Communication(RC)』を実施しています。
また中2の希望者を対象に行うニュージーランド海外研修では、すでに協定校との信頼関係が確立されているので、現地と 直接やりとりをして活動内容を吟味。自国や自らを振り返り視野を広げるプログラムを実現しています。
大学入試改革にともない必要となる思考力や表現力、協働性などを育むものとしては、『6年一貫コース』の『自分プロジェクト』が特徴的です。社会で活躍するための基盤を培うことをコンセプトに、6年前の導入時から中学では研究論文の作成と発表、高校では企業とのコラボレーションと、多彩な取り組みを行ってきました。来年度からは『自分プロジェクト』も含めた教科横断型 授業を始動させる予定です。「プログラム内容を社会の変化に合わせてフレキシブルに変えていく。それこそが本校の教育のスタイルであり、これからもそうあり続けたいと強く思っています」(6年一貫コース・中司延亮先生)
1996年にニュージーランドのマスタートン中学校と姉妹校提携して以来、中2の希望者を対象に約2週間の『ニュージーランド研修』を実施しており、これまでに派遣した生徒数は約580名にのぼる。ホームステイは“1家庭につき生徒1名”を徹底。
チームティーチングで進める特別授業『RC』は週2回実施。1クラスを2分割する少人数体制のもと、授業 中のやりとり、テキストはすべて英語の参加型授業を行うことにより、コミュニケーションツールとしての英語力を培っている。また、同校では4名のネイティブ教員が常駐し、休み時間などにもコミュニケーションを図ることができるため距離が近く、物怖じすることなく気軽にあいさつする生徒の姿が多く見られるそう。
マオリ族の家に1泊して文化を体感するなど類を見ない密度の濃い『ニュージーランド研修』を実現できているのも、両校の間に、長年にわたる交流を通じて築いた信頼関係があるからこそ。