同校は1800年にフランスで創立された修道会『聖心会』を母体とする、カトリック女子校。英語教育に定評があり、卒業生の多くが英語力を生かした分野で活躍しています。
そんな生徒の英語力の高さを実感できるのが、毎年1月末に開催される中学校の『英語暗誦大会』、高校での『英語発表会(English Day)』です。
『英語暗誦大会』では、中3にはオリジナルスピーチの部門が設けられ、予選を勝ち抜いた生徒が、社会問題など自分が興味や関心のあることについて英語で考えを披露します。その英語力は、全国の英語弁論大会で、数々の優秀な成績を残してきた同校ならではのレベルの高さ。また、スピーチの内容からは、生徒の社会問題への意識の高さも感じられました。
◆写真◆17歳でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの国連でのスピーチを暗誦するのは中3。
◆写真◆日本語は一切使われない英語暗誦大会。発表はもちろん、生徒による司会も、審査員の講評もすべて英語で行われる。
◆写真◆中学校『英語暗誦大会』で、中1は童話の暗誦など比較的やさしい内容に挑戦。中2は『メアリー・ポピンズ』の一節を暗誦する。
『EnglishDay』は、6年間の英語教育の集大成として位置づけられています。英語劇を発表し、特に高校3年生によるシェイクスピア劇では、英語の台詞を、流ちょうかつ感情を込めて演技。英語で思考することをトレーニングされているからこその表現力の高さに圧倒されました。
「カトリック校である本校には、途上国への支援活動などを通じて、社会貢献を考える風潮があります。この校風と英語教育は分かちがたいものです。英語を通じた人間教育が本校の教育の特色であり、生徒は、『世界をよりよくするために国際的に活躍したい』と自然に考え、英語の学習に取り組むようになるのです」(英語科主任・高橋良子先生)
世界のため、人のために役立ちたいという思いで英語を学ぶ生徒たち。だからこそ、その英語力は国際社会で役立つレベルに到達するのでしょう。
◆写真左◆高校『English Day』では英語劇を発表。脚本から演出まですべて生徒が手がけるのが伝統。「英語で表現する楽しさや喜びを、この機会に味わってもらえるといいですね」(高橋先生)
◆写真右◆ネイティブ教員による講評。今回の参加者の中から優秀者が発表される。「本校の英語の授業は少人数指導で、日本語を使わない方針です。これは相手の話の内容を推測しながら会話する能力も、英語力の一部だと考えているからです。これにより、生徒のスピーキング力、リスニング力は高いレベルに達します」(高橋先生)
◆写真◆高校『EnglishDay』では、膨大な量のセリフやよどみない英語の発音もさることながら、完成度が非常に高い演技力も圧巻。「英語を使いこなす」同校の英語教育の集大成の行事だ。
中学校『英語暗誦大会』でオリジナルスピーチを発表したMさん( 中3 )のオリジナルスピーチは、”働く女性と子育て環境の問題について”。自身の学童保育経験から生まれた考えを堂々と発表。彼女の将来の夢は国際的な仕事をすること。
「そのために、海外で通用する英語を身につけたい。英語スピーチに挑戦したのは、自分の成長につながると思ったからです」。小学生の頃はほぼ英語に触れてこなかったMさんですが、同校の英語教育により3年間でネイティブのような滑らかな発音を習得。実はMさん、今回のスピーチを入試説明会でも披露したそうです。きっと、「私も3年後にああなれるのかな」と、小学生たちのあこがれのまなざしを集めたことでしょう。