近年注目を集めている『6年一貫コース』と、難関高校への進学を目指す『3年コース』。両コースともに、〝個性の尊重〟〝明朗と自主〟〝実行から学べ〟〝礼儀と品性〟という4つの教育方針のもと、勉強面だけでなく、多彩な行事にも力を入れています。
「本校では、知・徳・体のバランスの取れた人間力を育む教育を行っているため、毎日の勉強だけでなく、行事もクラブ活動も積極的に取り組んでいます。特に行事を通して、友だち同士だけでなく、さまざまな人とコミュニケーションする力や協調性などを身につけ、人として大きく成長していってほしいと考えています」 (募集企画部部長・平野養一先生)
中1の『地下鉄オリエンテーリング』では、4〜5人のグループで自分たちで計画を立て、指定されたポイントをめぐっていきます。迷ったときには地元の人にたずねながら目標地点を探し出していく中で、社会人として必要な自主性やコミュニケーション能力が養われていくのです。
中2の5月に行われる『サバイバルキャンプ』。雄大な自然の中でテント生活を行い、7回もの野外炊飯、田植えなどを体験。3泊4日の間に心身ともにたくましくなっていく。
指定されたポイントを、地下鉄を乗り継いでめぐる中1の『地下鉄オリエンテーリング』。「地元の人にたずねながら周りました。人の温かさを感じました」(中3・Kさん)
中2の『サバイバルキャンプ』で行われるオリエンテーリングでは、各ポイントを全部回らないと、食材が手に入らない。「肉なしすき焼きにならないよう、みんな必死でした」(中3・Tくん)
文化祭での垂れ幕作りでは、学年全員のメッセージを貼りつけて“絆”という一つの文字に。文化祭も体育会も生徒たちが自ら考え、主導していくのが伝統となっている。
『体育会』では、縦割りのチームで競い合う。「プログラムは生徒会と放送部で作りました。大変だったぶん、達成感も大きかったです」(中3・Iくん)
『体育会』で、先生を生徒が仮装させる仮装行列には大歓声が。これを機に先生との距離もグンと近くなる。
文化祭では、クラス対抗の『合唱コンクール』が行われる。
「男子が練習に来なくてもめたことも。でも、コンクールの前日にはしっかりハーモニーができていて、本気で力を合わせればできるんだなと思いました」(中3・Kさん)
『文化祭』では学年で一つの大きな特別展示物を制作。昨年の中1は四季を描いた巨大壁画(モザイクアート)。皆で協力して作り上げ、完成したときの感動は言葉にできないほど。
『サバイバルキャンプ』(中2)、さらにクラス対抗で競い合う『合唱コンクール』や『体育会』などでは、クラスメートと協力し、助け合うことの重要性を実感。クラスの団結力も強くなっていきます。そのうえ、生徒同士はもちろん、先生との距離も近づき、学校全体で一つの家族のような雰囲気ができ上がっていくのです。
行事ごとに皆で支え合い、乗り越えようという気構えが、学習面にも好影響を及ぼしています。自ら考え、人と協力し、課題を克服していく力は、生徒たちにとって一生の力となるはずです。
1996年からニュージーランドの北島にあるマスタートン中学校と姉妹校提携し、希望者を対象に約2週間のニュージーランド研修を実施しています。現地では姉妹校の生徒宅にホームステイし、授業にも参加。「サッカーを一緒にしたり、マオリ族の民族舞踊を習ったりして、友だちもたくさんできたし、英語で積極的に話しかける勇気もつきました」(中3・Tくん)。2001年からは留学生も受け入れ、ますます交流を深めています。
日本とはスケールの違う大自然や異なる文化が体験できる『ニュージーランド研修』。
ニュージーランドからの留学生は、学校の授業やクラブ活動にも参加し、多くの生徒と友情を深めていく。
(取材・文/木谷友子)