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進学通信No.62-常翔学園中学校・高等学校
28
12月
  • 進学通信No.62-常翔学園中学校・高等学校
  • 2016 . No.62 . PICK UP TOPIC . 常翔学園 . 進学通信 .
常翔学園中学校・高等学校
グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞を受賞した3チーム。「大変だった」と口をそろえながらも、誰もがとびきりの笑顔を見せていた。


知的探究心を養う体験・探究型総合学習の『総合サイエンス』では、実在の企業や著名人を題材に“生きる力”を学ぶ『クエストエデュケーションプログラム』を導入している同校。中3生は「自分史」や先人たちの「人物ドキュメンタリー作品」を作成し、100校以上の中学校・高等学校が参加する『クエストカップ』に応募。『クエストエデュケーションプログラム』での取り組みの成果を発揮する場となっています。優秀作品は全国大会に進めますが、同校はこのプログラム導入後、2014年、2015年と2年連続で全国大会への出場を果たしています。

「人物ドキュメンタリー作品」では、チームを組み、まず各界の著名人の軌跡をたどる日本経済新聞のコラム『私の履歴書』を読み込むところから始まります。年表を作成すると、次は自分たちで設定したテーマに沿って、画像やBGMを駆使しながら、紹介する人物についてのプレゼンテーション資料を作成。プレゼンテーションに盛り込む寸劇の脚本も自分たちで作り、本番まで練習を積み重ねていきます。
毎年『クエストカップ』に先駆けて実施する「人物ドキュメンタリー作品」の『校内発表会』は、クラスで勝ち残った上位2チームが出場し、3クラスの全6チームでプレゼンテーションを競い合うものです。1チームの制限時間は 10分間。『私の履歴書』を読み込み理解する「読解力」、ストーリーをわかりやすく組み立てる「構成力」、演出や映像を用いて聴衆を惹きつけ魅力的なものに仕上げる「表現力」、独自の視点や工夫を盛り込む「独創性」、自らの力で答えを求め、より深く追究する「探究力」。これら5つの審査項目について「教育と探求社」の松本優也氏を始めとする4人の審査員が、評価・採点を行い、グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞を決定します。

オープニングでは、北尾校長が会場に集まった中学の全生徒に向けて、「出場を逃した人は、自分のチームとどこが違うのか、各チームがどのような発表の仕方をし、どこが魅力的なのかを考えながら、また後輩たちは『自分たちがやるときはもっとこうしたい』などと感じながら見てほしい」と語りかけました。 会場全体がほどよい緊張感に包まれる中、発表がスタート。「先人が学校で講義を行う」という設定のもとストーリーを展開させたり、先人が手掛けた漫画に登場するキャラクターを案内役にしたり、過去にタイムトリップする設定だったりと、チームのカラーやオリジナリティが際立つプレゼンテーションが続きます。いずれも笑いを誘う台詞なども効果的に盛り込み起伏に富んだ内容で、観客席にいる生徒たちの視線は終始ステージに釘づけでした。 グランプリを受賞したのは、作家の佐藤愛子氏との出会いを通じて人生をやり直す決意をするという物語を披露したチーム『YDKアオちゃんズ』。東海大学創立者・松前重義氏を取り上げ、彼の父親の目線からストーリーを描いたチーム『SWALLOW』が準グランプリに。また、ヤマト運輸の生みの親・小倉昌男氏について発表し、審査員特別賞を受賞したチーム『ダンボール連合』は、テレビ番組の中で当時の小倉氏や周囲の人々にインタビューするという設定で展開しました。

受賞の瞬間、各チームが喜び合う姿を見ると、試行錯誤の過程で個々やチームが成長することにより生まれた団結力や、一人ひとりが役割を果たしながら全力でやり遂げた達成感が伝わってきました。

最後に「この経験を将来に生かしてほしい」と語った北尾校長。自ら考え行動することで、知的探究心を喚起し、内に秘めた個性や可能性の発見につなげ、未来に生きる力を養う。まさに同校の目指す「社会のリーダーとなるための原動力を培う教育」を体現する取り組みと言えるでしょう。

司会・進行も中3生が担当。2人で司会を務めることが決まったのはわずか2日前だったが、待ち時間もアドリブで乗り切って見せた。そんな何気ない場面からも『、総合サイエンス』での取り組みを通じての成長ぶりがうかがえる。

1つのチームが発表を終えるごとに審査員が作品講評を行う。「このチームの良さはどこにあるのか」を明確に示した。来年、再来年にチャレンジする後輩たちにとっても意義深いひとときとなったはずだ。

グランプリに輝いたチーム『YDKアオちゃんズ』が取り上げたのは、直木賞作家・佐藤愛子氏。プレゼンテーションでは佐藤氏の父親の目線に置き換えて客観的に描いていた点、また、終始一貫してメッセージを伝えていた点が高く評価された。

官僚・政治家・科学者・教育者・工学博士などの顔を持ち、東海大学創立者でもある松前重義氏の人生を紹介したチーム『SWALLOW』。志望大学への進学がかなわず希望を失いかけていた現代の大学生が、タイムトリップ先で出会った松前氏の言動や功績に刺激され、やり直すことを決意する──奥行きあるストーリー展開で準グランプリを獲得。

審査員特別賞に選ばれたチームは『ダンボール連合』。ヤマト運輸の生みの親・小倉昌男氏のエピソードについて、アナウンサーが、タイムトリップ先で小倉氏や関連する人々にインタビューするという設定で紹介。客観的な視点を盛り込むことで、小倉氏に対する理解をより深められる内容となっていたことが、受賞の決め手に。

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