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進学通信No.61-小林聖心女子学院
17
8月
  • 進学通信No.61-小林聖心女子学院
  • 2016 . No.61 . PICK UP TOPIC . 小林聖心女子学院 . 進学通信 .
小林聖心女子学院
「中3で3週間のオーストラリア研修を体験。現地の中学で理科の授業を受けたら、先生の話がほとんど理解できたのがうれしかった。将来は英語をツールとして、国際政治の分野で活躍したいです(Aさん)
「文章の美しさを意識してエッセイを書きました。たとえば日本語でウグイスは“さえずり”と言いますが、カラスの鳴き声には使わない。また“かすかな香り”は、どんな英語にすればいいのかなど、繊細な部分を表現したかったんです。エッセイをブラッシュアップするため、ネイティブの先生から多くの貴重なアドバイスをいただくなかで、言語を学ぶには、その国の文化も理解しなければならないことがわかりました。同時に自国の文化にもより関心を持つようになり、美しい日本の詩や小説にも興味がわきました(Aさん)

知性を磨き、創造性に富む思考力や正しい判断力を持つ女性を育てる同校。生徒たちは得意分野で力を発揮し、毎年さまざまなコンクールですばらしい成績を収めています。2014年度には、現在高2のAさんが『第53回全国高等学校生徒英作文コンテスト1年の部』で最優秀賞を、
Hさんが『第58回日本学生科学賞・高校の部』で文部科学大臣賞を受賞しました。“
How I Enjoy My School Days
”をテーマに、学校生活をエッセイにしたのはAさん。「豊かな緑に囲まれ、移ろいゆく自然を感じながら学校生活を送る幸せな日々を、枕草子の『春はあけぼの。やうやう白くなりゆく~』のように、情景を思い浮かべることができる言葉で表現したいと思いました。小林聖心女子学院小学校時代から、聖書の文語的な祈りや、韻を踏んだ美しい言葉に親しんでいたので、浮かんだフレーズをそのまま書くと、英語ならではのリズム感が生まれました」

日本語を介さずに直接英文が書けるのは、同校の英語教育によるものです。国語と同じように英語で自分の考えを伝え、相手の意見を聞く手段として教えているからです。「日頃からさまざまな英文を読んだり聞いたりする中で、自然に言葉を選び、表現するセンスを磨いています。読解でも設問に答えるだけでなく、登場人物の言動から性格や生い立ちを推測し、自分ならどう思うかを英語で考えたりします」(英語科・西口晶子先生)「英語でプレゼンテーションやディスカッションをする機会が多いので、日本語で考えてから英訳して話す生徒は、本校にはほとんどいないと思います。将来は外交や国際政治に関われる仕事がしたいです」(Aさん)Hさんが「文部科学大臣賞」を受賞した『日本学生科学賞』も、多くの科学者や研究者を輩出してきた日本で最も伝統のある科学コンクールです。「タイトルは『ミツバチの巣室の形の謎を解く2』です。“2”にしたのは、中3のときにハチがどのように六角形の巣を作るのかを調べて、『日本学生科学賞』の「日本科学未来館賞」をいただいたからです。今回はその内容を深め、通論だった「ハチ自身が六角形を作る能力を持っている」「物理的な自然の摂理で形づくられる」の2説を否定したことから始めました。数万匹のハチを購入し、三田市の『人と自然の博物館』に預けて3カ月間通いながら観察すると、複雑な角度に見えるハチの巣は、特殊能力でも自然の力でもなく、昆虫の一般的な行動から作られるということが証明できました」(Hさん)

彼女を本格的な研究活動に駆り立てたのは、間近に生き物とふれ合える校内の自然環境と、同校の実体験に基づく教育です。中1から高1まで、総合的な学習の時間を創立者の名にちなみ“ソフィータイム”として、学年に応じた体験学習や調べ学習を実施。中1で調べ学習の基礎を学び、中2は興味のある自然科学分野について研究発表を行い、中3は社会問題をテーマにしたディベートで論理的思考力を養っています。「その集大成として、高1では一人ひとり自由なテーマで論文を書きます。ここで大切なのは、情報を鵜呑みにせず、自分の目で確かめて持論を展開させていく“クリティカルシンキング(批判的思考)”。彼女が評価されたのは、ていねいに観察しながら通説を否定し、多くの文献を調べて自分の考えを証明したからだと思います。本校では生徒の興味や関心の芽を摘まず、学ぶ意欲を高めるように導いています」(理科・東口洋子先生)「アメリカで開催された『インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF 2015』に参加しました。そのプレゼンテーションで論文を英訳したり、過去の研究を見直すためには国内外の専門書が必要でしたが、日本で手に入らない資料は“聖心ネットワーク”で、ベルギーのシスターが探してくださいました」(Hさん)

彼女たちに限らず、同校の生徒全員が、どんな賞も一人では獲得できない、いろいろな人の協力が必要であることを理解しています。人のつながりの大切さこそ、キリスト教の教えそのものだからです。

「小林聖心女子学院小学校時代は、校内で植物の観察や昆虫採集ができる理科の授業が楽しみで、中学では体を切っても切っても再生する扁形動物“プラナリア”について研究しました。大学ではヒトの生命と直結する医療系の学部に進みたいです(Hさん)

ハチの行動を調べるにあたって多くの文献も読んだが、最終的には自分の目で見て、感じて、気づいたことで論を展開。それは机上の空論のみで、知識だけを増やす教育はしないという、同校の理念に通じる。

世界中から学生1700人が集まった、ピッツバーグの『インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)2015』で浴衣を着て異文化交流。「本校には英語とフランス語の授業があるので、外国語に抵抗がなく、通訳に頼らず誰とでも話せました(Hさん)※写真提供:NPO法人日本サイエンスサービス(NSS)

「世界で通用する論文にするため、何十冊も海外文献を取り寄せましたが、正確に日本語訳されていない本が多くて難航しました。今回の賞は先生方をはじめ、たくさんの方々のサポートで取れたことに感謝しています」(Hさん)

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