What's new / 進学通信掲載記事 / 進学通信No.60-東洋大学附属姫路

進学通信No.60-東洋大学附属姫路
04
7月
  • 進学通信No.60-東洋大学附属姫路
  • 2016 . No.60 . 未来を生き抜く学力のつけかた . 東洋大学附属姫路 . 進学通信 .
東洋大学附属姫路『姫路研究』でグループごとに調査・発表を行う。夏休みを利用し、校外へリサーチに出向くことも。
基礎学力を軸としながら“深く考える力”を養う

確かな学力と豊かな人間力を兼ね備えたグローバル人材の育成を目指す同校。中学では2014年の開校時から、「物事の本質に向かって、深く考える力」を身につけることを目的とした独自の教育プログラム『キャリア・フロンティア』において、探究や体験、アクティブラーニングに重点を置いた学習を展開しています。文章を書くことを中心としながら、豊かな人間力、コミュニケーション能力、情報収集力、情報発信力、課題発見・解決能力など、2020年度からの大学入試制度にも対応できる力の育成を目指すものです。

導入にあたっては、教科学習の授業時間数を圧迫することのないように留意したと、中高一貫コース主任・黒河潤二先生は話します。
「新たに求められる能力の育成は大切です。ただ、国公立大学を中心に入試制度が改革されるとはいえ、すべての基本にあるのが基礎学力であることに変わりはありません。『キャリア・フロンティア』は週2コマですが、それでも中学では、公立中学校の約1・3倍、国数英は約1・5倍にあたる教科の学習時間を確保しています」

週3日は完全下校時間まで、自学自習を行う時間を設け、必要であれば並行して補習・講習も実施することで、学力の定着と伸長を図っています。

課題解決力を備えた人材こそが活躍できる

『キャリア・フロンティア』の多様な取り組みの中でも重要な位置づけにあるのが、情報編集力・発信力を養うことを目的とした中1の『姫路研究』『神戸研究』、職業について調べる『未来を考える』といった調べ学習です。特に『姫路研究』『神戸研究』は、グローバル人材として不可欠ながら多くの日本人に欠落している、地元や自国の文化に関する知識を身につけることもねらいとしています。また発表する機会を設けることにより、コミュニケーション能力の育成を図っています。

さらに、学力のベースとなる豊かな人間力を育むために、あいさつの仕方をはじめとする一般作法講座、茶華道などの作法指導も積極的に行っています。
「豊かな人間力とは、相手を思いやる心ともいえると思います。たとえばプレゼンテーションでは、一方的に自分の意見を伝えるだけではなく、相手が聞きたいことは何かを考えることが不可欠です。また、相手に自分の考えを知ってもらいたいという思いがあれば、ていねいな言葉づかいで発表するでしょう。相手の立場に立って物事を考え、行動することの大切さを学び、実践できる資質を身につけてほしいと思っています」(黒河先生)

相手を思いやる心があってこそ、円滑にコミュニケーションを図り、人と協力し合うことができます。つまり、人の立場に立って考え行動することができてこそ、社会に求められる課題を発見・解決する力を最大限に発揮することができるのです。
「『キャリア・フロンティア』では、課題を解決する過程で必要な情報の編集・発信力や豊かな人間力、思考力、コミュニケーション能力を育みます。並行して実施している『国際交流プログラム』では英語力の育成を図り、異文化理解を深めていきます。このようなプログラムを通じて、少子高齢化をはじめとする独自の課題を数多く抱える“課題先進国”の日本で、世界的な視野に立って課題を発見・解決できる人材を輩出していきたいと考えています」 (黒河先生)

「情報編集力」とは、意味のある情報を選び、組み合わせ、組み替える能力を指します。中1の『姫路研究』で扱うのは、①姫路城②同校北にある書写山③姫路ゆかりの人物④姫路の産業⑤姫路の食べ物⑥姫路の祭りの6テーマ。
各班が1テーマを担当し、図書館やインターネット、フィールドワーク、関係各所への取材などを通じて調査を行った後、プレゼン用ソフトを用いて発表します。『神戸研究』は1人1枚のレポート、職業について調べる『未来を考える』ではポスターセッション形式と、取り組みごとに異なる発表方法を採用。これらを通じて培ったノウハウを生かし、中2では広島の平和学習のほか、国際交流プログラムの一環として山梨県・河口湖で行う『英語キャンプ』で、事前に富士山についての調べ学習、最終日にはその発表を英語で行います。

情報や自分の考えをわかりやすく相手に伝える「情報発信力」は、中2『弁論大会』や国際交流プログラムの1つである中1『英語暗唱大会』などを通じて培われます。共通しているのは、単に覚えて暗記するのではなく、「文章をどのように表現するのか」というところにまでこだわっている点。『英語暗唱大会』では、英語の教員が選んだ絵本の一文、国連演説の1部、観光に関わる文章の1節の3つから、一人ひとりが好きな文章を選択。絵本なら語りかけるように、演説であれば訴えかけるように、観光の場合は説明にふさわしい話し方をするように指導します。

中1『英語暗唱大会』のようす。中3では、『英語による弁論大会』を実施する予定。生徒自身が英語の文章を作成し、表現して伝えます。

人とのコミュニケーションやプレゼンテーションでは、相手の立場に立って考える姿勢が求められます。『キャリア・フロンティア』の一環として行われる作法指導では、「なぜ礼を尽くさなければならないのか」を考えさせ、単なる約束事としてではなく、相手に対する心づかいも含めて身につけさせます。テーブルマナー講習は、中学生としては初めて、『ミシュランガイド関西2015』で5年連続神戸地区最高評価を獲得したホテルにて実施。支配人から指導を受けました。

作法指導では、年に1、2回、華道・茶道教室も実施。日本の伝統文化に対する理解を促すことも、目的としている。

1年間の学びのまとめとして、『姫路研究』の優秀チーム、『未来を考える』の優秀者、各クラブの発表などを行う『TOYO STUDY FESTA(総合学習発表会)』。期末考査終了後の約2週間をかけて準備を行い、企画からプログラム作成、司会、裏方までを自分たちで行う生徒主導の行事です。仲間同士で話し合いを重ね、協力し合いながらひとつのものを作り上げる経験を通じて、課題を発見・解決するうえで必要不可欠なコミュニケーション能力を育成します。

2014年度の『TOYO STUDY FESTA』では、最後に全員による合唱を披露。そのすばらしい出来映えに、指導にあたった先生は涙ぐんだそう。

学校情報