What's new / 進学通信掲載記事 / 進学通信No.60-帝塚山学院OG

進学通信No.60-帝塚山学院OG
03
7月
  • 進学通信No.60-帝塚山学院OG
  • 2016 . No.60 . 卒業生インタビュー . 帝塚山学院 . 進学通信 .
帝塚山学院
人生の中で最も多感な中高6年間。その中で生徒はどのように自分の方向を見出し、進路を実現していくのでしょうか。現在社会人として活躍する、中高一貫校出身のお2人にその成長と成功の物語をインタビューしました。
PROFILE
帝塚山学院への志望動機 クラブ活動に熱中したいという思いから、その思いがかなう学校だと感じたからです。
中高時代の所属クラブ ダンス部
中高時代の夢や目標 スポーツで怪我をした人を助ける仕事に就きたいという思いがあり、実際に理学療法士の方の仕事ぶりを見たことがきっかけ。
合格した大学 大阪府立大学・総合リハビリテーション学
大学で学んだこと 解剖生理学と運動学をベースに、理学療法士に必要な専門知識を修得しました。

 

6年間+αの軌跡
中1 ダンス部に入部
中2 クラブに後輩が入り、上級生としての自覚が芽生える
中3 ダンスに明け暮れる日々を送る
高1 理学療法士と保育士、どちらの道に進むかを迷う
高2 理学療法士を目指すことを決意
高3 高1・高2に引き続き、ダンス部で全国大会に出場。3年連続の入賞を果たす
クラブ活動を通して得た実感が理学療法士を志す出発点に

現在、運動機能の維持・改善のための治療を行う理学療法士として、大阪府立急性期総合医療センターに勤務する藤原さん。
「将来について真剣に考えたのは高1の3月、文理選択の時期です。中高6年間はダンス部に所属していたのですが、その中で実感したのが、スポーツに怪我はつきものだということ。怪我をした人を支えたいという思いが、理学療法士という仕事に興味を持ったきっかけです。高2の夏、私自身が怪我をして理学療法士の方のお世話になった際、その仕事ぶりを見て本格的に進路を決めました」

勤務先の総合病院では、1、2年目は手術して間もない患者を担当する急性期のグループに所属。3年目からは回復期病棟で、主にリハビリを目的として入院している患者を担当しています。
「患者さんから直接『ありがとう』と言っていただけたときには、とてもうれしいですね。大きなやりがいを感じるのは、担当した患者さんが退院されたとき。希望する場所に、希望する状態まで回復して帰られる姿を見ることが、何よりの喜びです」

ダンスに没頭した日々は人生における最大の財産

藤原さんは小学生のとき、「クラブ活動を思う存分頑張りたい」との思いから、高校受験のない中高一貫校に進学することを自ら希望しました。体ひとつで勝負できるところに惹かれ、ダンス部を選びました。

帝塚山学院のダンス部は、校内でも厳しいクラブとして知られます。藤原さんは高校時代、3年連続で全国大会入賞を経験しましたが、「一番の思い出は?」という質問に対しては、「大会前の練習です」という答えが返ってきました。
「夏の大会は最大のイベントです。暑い体育館での練習は厳しさを増し、体力的にも精神的にもきつかったことを覚えています。特に印象に残っているのは、高校の3年間とも、私たちの演技を見た当時の顧問、瀧山恵先生(現校長)から『大会に出なくていい』と言われてしまったことです。自分たちなりに問題点を修正しながら練習を重ね、もう一度見てくれるよう先生に泣きながらお願いし、指導をしてもらってまた練習して…。やっとの思いで本番を迎えるという経験をしました」

そう語る藤原さんの表情は笑顔です。
「今でもクラブの仲間と集まったときにはこの話になるのですが、瀧山先生の『大会に出なくていい』という言葉は本気を出させるための作戦で、悔いが残らないように、全力で取り組めるようにという愛情から言ってくださったのではないかと思います。当時は先生の言葉をそのまま受け止め、なりふり構わずに感情を表に出して取り組んでいました。それはとても貴重な経験だと思いますし、何かに夢中になって全力で取り組んだことは誇りです」

その厳しさゆえ、ダンス部は藤原さんにとって、一番の成長の場ともなりました。敬語やあいさつなどのマナーはもちろん、周りを見て自分がどう動けばよいのかを判断する力、何事も決してあきらめない忍耐力。6年間を通じて身につけたそれらは卒業後、あらゆる場面で生かされたそうです。
「大学4年生のとき、2カ月間に及ぶ実習を2回行ったのですが、いずれも期間中は毎日レポートを書き、さらにまとめのレポートも作成しなければなりませんでした。睡眠時間を削りながらのハードな日々を何とか乗り切ることができたのは、中高時代に培った忍耐力のおかげだと思っています。また就職活動の面接では、瀧山先生に教わった敬語の使い方、あいさつの仕方、部屋への入り方などを思い出しながら臨みました。常に心の中にあるのが、瀧山先生が日頃からよくおっしゃっていた『限界を感じたときからの自分が本当の自分』という言葉です。理学療法士として患者さんに向き合う際にも、根本にあるのはこの精神。これくらいでいいかなと妥協するのではなく、もっと他に何かできることがあるのではないかと考えている自分がいます」

自分で限界を決めずに、可能性に挑戦する。その教えを実践し続けることにより、藤原さんは今もなお、成長し続けているのです。

勉強とクラブ活動を両立し第一志望への進学を実現

文理コース(当時)を選択した高1は、保育士の仕事にも興味があり、どちらの道に進むかを迷っていたという藤原さん。結果として文系コースにいながら、理系学部を目指すことになりました。先生方から個別に英語の長文読解や小論文の指導を受けていたそうです。6年間クラブ活動に熱中しましたが、クラブ活動が受験勉強の妨げになると感じたことはなかったと言います。
「クラブ活動をしているから成績が下がったと言われるのは嫌でしたし、特に高校では教科に関わらず、授業や課題、復習をきっちりとこなし、テスト勉強にも集中して臨んでいました。私の場合、クラブ活動を続けていたことは、むしろメリットのほうが大きかったと言えるかもしれません。たとえば何か嫌なことがあったとしても、クラブで無心になって走り込みや基礎練習に取り組むうちに、そんなことは忘れてしまうんです。気持ちをリセットすることができました」

勉強とクラブ活動を両立させるメリットは、それだけにとどまりません。藤原さんがダンス部で取り組んできたのは創作ダンスです。まずはテーマを決め、そのテーマについて調べ、関連する映画などがあれば皆で鑑賞し、その中で感じたことを仲間と共有しながら作品に反映させていきます。
「高2のときに取り組んだ、ふきのとうの成長過程を表現する作品は、ふきのとうの芽が土から出てくるようすなど、成長過程を部員一人ひとりが体を使って表現し、その中で優れている表現を作品に採用する、という方法で仕上げていきました。そうしたプロセスを通じて、感受性や発想力、創造性が養われたように思います」

それらの力は教科学習においても大切なものです。ダンスによって磨かれた力が学習に生かされると同時に、さらなるダンスのレベルアップにつながるといった相乗効果があっただろうことは、想像に難くありません。

また同校では、芸術鑑賞やコーラスコンクールなど、豊かな感受性を育む行事を積極的に実施しています。
「コーラスコンクールでは、選曲から編曲、指揮、伴奏までを生徒自身で行います。多様な生徒が集まっているので、必ずそれらを得意とする生徒がいて、強弱の表現などをクラスメートに教えてくれたり、音楽コースの先生から専門的な指導を受けたりと、クラブに限らず、感受性が自然と育まれる環境が整っていたような気がします」

学校生活のあらゆる場面で培われた感受性は、理学療法士として患者さんと接する際に役立っているようです。
「元気だったり、落ち込んでいたり、患者さんによって精神状態はさまざま。治療していくうえで必要な信頼関係を築くためには、心の状態に応じた関わり方をすることが肝要です。現場では患者さんの気持ちを察知することを常に意識していますが、その実践において、中高時代に身につけた感受性が生きているのかなと思います」

「出会えてよかった」 そう思われる理学療法士に

藤原さんに女子校ならではの良さ
を聞くと、「いい友人関係を築ける こと」と応えてくれました。 「異性を気にすることなく、ざっく ばらんに本音で言い合える関係を構 築できるのは、女子校ならではの魅 力。長く会っていないクラスメート でも、会えばすぐに中高時代のとき と変わらない関係に戻ることがで き、当時の話で盛り上がります」

特に 6 年間をともに過ごしたダン ス部の仲間との絆は強く、今でも年 に 1 度は集まって、近況を報告し 合っているそうです。

理学療法士としての目標は、患者 さんに「出会えてよかった」と言っ てもらえるような治療を実践するこ と。確固たる信頼関係を築き、妥協 することなく全力で関わることで、
大事な身体を預けてもらった責任を 果たしたいと話します。 「今年で 5 年目、これからも初心を 忘れず向上心を持って取り組むこと が大切だと考えています。また、患 者さんの中には退院後も継続してリ ハビリが必要な方がいらっしゃいま すが、そういうケースにおいては、 私たちの目が届く入院中よりも、自 宅に戻ってからのケアが大事なので はないかなという思いがあります。 将来的には、 1 人の患者さんと長く 関わることのできる在宅ケアの分野 で力を発揮していきたいです」

どんな壁も〝限界に挑戦する精 神〟で乗り越え、夢に一歩一歩近 づいていく。そんな藤原さんの姿が、 目に浮かぶ思いでした。

ダンス部では、全国大会3年連続入賞の快挙を成し遂げた。

藤原さんが習慣にしていたこと
1 クラブ活動が勉強の妨げになって いると言われることのないよう、 成績をキープすること。授業は しっかりと聞き、宿題、復習もき ちんとこなしていた。
2 成績キープのために、小テストも 含めてテスト勉強には全力投球す ること。携帯電話はあえて遠ざけ、 集中して取り組んだ。
3 高校からは、授業・課題・復習をベー スに、全教科を頑張ることを徹底。
こんな理学療法士になりたい!

初心を忘れることなく経 験を積み重ね、妥協する ことなく全力で関わって いくことで、体を預けて くれた患者さんに「出会 えてよかった」と言って もらえるような治療を実 践していきたいです。

恩師が語る!「こんな生徒でした」

高1〜高3時 担任 伊藤 統也先生
ダンス部で活躍しながら、成績も常に上位でした。

藤原さんは、学校の構成要素である勉強、行事、クラブ活動、友人関係の4つ全てに、楽しそうに取り組んでいたという印象があります。受験に特化したクラスの中でも成績上位をキープしながらダンス部で活躍しており、感心することしきりでした。私もダンスの全 国大会を観戦しましたが、普段とは全く違う 真剣な表情、気迫あふれる演技に圧倒されたことを覚えています。行事にも常に全力投球で、高2のコーラスコンクールでは優勝、高3 も準優勝を受賞。そのすばらしい出来映えに感銘を受 けました。当時から、常に人の気持ちを考えながら行動していた藤原さん。理学療法士の仕事は、彼女にぴったりだと思います」

学校情報