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進学通信No.60-開明OG
02
7月
  • 進学通信No.60-開明OG
  • 2016 . No.60 . 卒業生インタビュー . 進学通信 . 開明 .
松蔭
人生の中で最も多感な中高6年間。その中で生徒はどのように自分の方向を見出し、進路を実現していくのでしょうか。現在社会人として活躍する、中高一貫校出身のお2人にその成長と成功の物語をインタビューしました。
PROFILE
開明への志望動機 学校選びの第1条件だった共学校の中でも、頑張れば手の届く位置にあったのが開明。友人も開明を志望していることを知り、志望しました。
中高時代の所属クラブ 中学3年間合唱部
中高時代の夢や目標 教員になりたいと思ったのは中2のとき。テレビドラマがきっかけ。
大学で学んだこと 不登校、非行、虐待といった問題をテーマに児童福祉分野を専攻。ボランティア活動も積極的に行いました

 

6年間+αの軌跡
中1 合唱部に入部。調整役として陰からクラスを支える
中2 教員になりたい思いが芽生える
中3 Bコース(現 理数コース)からAコース(現 スーパー理数コース)に移動
高1 Aコースの選抜クラスに入り、勉強も行事も全力投球
高2 文化祭実行委員を務め、学校全体を引っ張るリーダーを経験
高3 各教科の勉強会を企画。仲間とともに勉強に励む
開明での出会いが夢実現の原動力に

現在、母校である開明中学校・高等学校の国語科教員を務める信山さん。中2のときにテレビドラマがきっかけで、教員という仕事に興味を持つようになり、その年の弁論大会では「開明の先生になって戻ってきます」と明言。その実現までの道のりは、開明での出会いなしに語ることはできないと言います。
「ひとつは、中2のときの国語の先生です。その先生の授業で、文章を読むこと、書くことの面白さに目覚めました。当時、本の感想をまとめる『読書ノート』には、クラスの誰よりも熱心に取り組んでいたという自負があります。教員になりたいと思ったのはちょうどそういう時期でしたから、ごく自然に『なるとすれば国語の先生かなぁ』と考えている自分がいました」

一度だけ、高3のときに社会科教員にもなりたいと思ったそうです。
「世界史では、世界各地で起こった出来事のつながりが見えるような授業が展開されていて、授業中に『世界はひとつなんだ』と実感し、感動のあまり涙ぐんだことを覚えています。もっと学びたい、知りたいという思いが芽生えたんです。でも世界史だけでは社会科教員にはなれないので社会科は断念。『やっぱり私は国語科だ』と、より強い気持ちで意識するようになりました」

そしてもうひとつ、夢の実現を後押ししたのは、教育実習生として母校に戻ったときの生徒たちとの出会いです。3週間の実習で生徒との信頼関係を築くことができ、最後は、生徒の「帰ってきて」という言葉で送り出されました。
「私も『絶対帰ってくる!』と応えました。その子たちが今後どのように成長していくのか。また、これから開明に入ってくる生徒たちの成長を見守りたいという思いもあり、中2のときとは比べものにならないほど強く、開明の教員になりたいと思ったんです。私が今ここにいるのは、そうした出会いに恵まれたからこそだと感じています」

行事を通じて人間的に成長

信山さんにとって開明は、夢を見出した場所であると同時に、人生の礎となる人間的な成長を得た場所でもあります。
「開明は行事が豊富ですが、担任だった竹森順一先生が、それらの準備を熱心にサポートしてくださいました。そのもとで一生けんめいに取り組むうちに、実は自分にはまとめ役が向いているのだということを発見し、その力を発揮できたように思います。特に文化祭では映画作りに挑戦したのですが、その中で主演を務めました。いい作品にしたいという強い思いがあるからこそぶつかり合いが起こるということを身をもって体験し、自分も皆と同じ思いでその輪の中にいるのだと感じることができました。行事を通じて培ったリーダーシップや協力し合いながらひとつのものを作り上げる力は、私の核になっているという実感があります。物事に取り組む際の情熱は、学年が上がるごとに、自主的に行動する力へと進化していくものです。今度は教員として、生徒が情熱を持てるように導きたいと思っています」

信山さんの人間的な成長につながったのは、行事だけではありません。日々の課題と行事を両立させながら忙しい日々を過ごしたことで、その後の大学生活も、充実させることができました。
「開明は勉強面で『これをやっていれば大丈夫』というレールを用意してくれる学校です。宿題が多く、勉強は大変ですが、そういう安心感があるから受け身だった当時の私も戸惑うことなくコツコツとやり遂げることができたのだと感じています。勉強にも行事にも全力投球するハードな日々を6年間続けたことで、〝しんどい道〟と〝楽な道〟があるならば、何事もしんどい道を選んだほうが自分のプラスになると考えるようになりました。大学時代、ボランティア活動などで多忙だった学生生活が苦にならなかったのも、開明で過ごした6年間のおかげです」という信山さんの言葉は、開明で培われた強い精神力の表れ。彼女がこれから教員として成長を遂げていく過程においても、大きな支えとなることでしょう。

大学での学びを生かしながら生徒と向き合う日々

常に前向きでバイタリティあふれる信山さんが「大変なこと」と感じるのはどのようなことでしょうか。
「生活指導です。メールやLINEが主なコミュニケーション手段となっている今、中学では、人との関係の築き方や距離の取り方から伝えていかなければなりません。私たちの時代とは人間関係の構築の仕方が異なりますし、初めて担任を任された昨年は、とても苦労しました。トラブルが生じたとき、教員はどこまで、どのように介入すればよいのかといったことでも悩みました」

そんな信山さんが常に心がけてきたことは「どのようなケースであっても、必ず生徒の話を先に聴く」という姿勢です。
「大学で児童福祉を専攻していた私は、4年間を通じて、不登校の子どものための福祉施設でボランティアに取り組んできました。不登校の場合、何らかの思いは秘めているものの、それを話すことができませんから、最初は横にいるだけです。絵を描いている横で私も同じように絵を描いたり、その子が好きなことについて調べて話題にしたり、同じ世界に身を置き寄り添う姿勢を見せながら、自分から話したいと思ったときにはいつでも聴ける態勢を整えておくことが大切です。そうした経験をふまえ、たとえ明らかにその生徒が悪いというケースであっても、まずは話を聞くことが必要不可欠だと考えるようになりました」

試行錯誤しながらも生徒の気持ちを聴き出し、根気よく指導してきた甲斐あって、今年になってからは、生徒の成長を感じることが多くなったそうです。
「最近は、コミュニケーション力や想像力、広い視野を育みたいという思いから、いくつかの解決策を提示し、生徒に選ばせるスタイルを取るようにしています。その際は、『私はこうしたほうがいいと思うよ』という言葉を添えるようにしています。先生同士で『この生徒は成長したね』という思いを共有できたときには、とても幸せな気持ちに包まれます。これからもその成長ぶりを見られることがうれしいですね」

知ることの楽しさを伝えたい

信山さんは中高時代、この学校の最大の魅力は、成長する機会をたくさん与えてくれるところだと思っていたと言います。しかし教員として戻ってきたとき、生徒の成長を願い、親身になってくれる先生方の存在こそが、開明ならではのよさだと実感したそうです。
「在校時は行事が待ち遠しくて、ワクワクしている自分がいました。でもそれは、高いモチベーションで取り組めるよう導いてくれる先生方のおかげなのだとわかりました。たとえば休憩時間には、職員室の相談ブースに生徒を呼び、話をしている光景がよく見られます。一人ひとりを見守る姿勢は伝わりにくいものだと思いますが、開明の生徒たちはそうした日常を通じて、先生が寄り添ってくれているということを感じ取っているのではないでしょうか」

教員となって今年で3年目。目下の目標は、授業力を高めることだと語ります。
「授業は大好きです。クラスによってカラーが違うので、同じ話をしても全く違う授業になることがあり、生徒と一緒に作り上げていくものであることを実感しています。国語科の魅力は、たとえば小説なら、単に筆者の思いを読み取るだけではなく、自分の経験をふまえながら異なる切り口を提示したり、別の作品の話につなげたりと、工夫次第でより広がりのある世界に連れていくことができるところ。それが楽しくて、国語科を選んで本当によかったと思っています。目指すのは、知ることの楽しさを感じられる授業。私が中高時代にそうしてもらったように、進路の選択肢や視野が広がるような授業を実践できるよう、経験を積んでいきたいです」

『英語特別クラス』の英語の授業は、原則としてオールイングリッシュ。どうしても日本語がクラス全員のはちまきにメッセージを書いて配り、心をひとつにして臨んだ高校の『体育大会』。

信山さんが習慣にしていたこと
1 何事も前向きに考えること。自然とそうなっている自分がいて、特に自分は物事を明るい方向に変換できると自覚してからは、長所として大切にしていた。
2 しんどいことと楽なことがあったら、あえてしんどいことを選択すること。
3 書くことの楽しさに目覚めた中2以降は、記述問題では空白にせず、絶対に埋めることを徹底。わからなくても、「自分はここまで考えた」という足跡は必ず残していた。
こんな先生になりたい!

私自身が開明での6年間で体験した、知ることの楽しさに気づいてもらえるような授業、進路の幅を広げられるような授業を展開し、生徒一人ひとりの夢の実現を後押しできる教員になりたいです。

恩師が語る!「こんな生徒でした」

中2・高1・高2時担任 竹森 順一先生
頼もしい同僚を得た思いです。

初めて信山さんの担任を受け持ったのは中2のときでしたが、その頃から文化祭や体育大会などの行事になると、底なしの明るさとパワフルさで周囲を巻き込み、クラスを引っ張っていました。誰とでも分け隔てなく仲良くなれるので、クラスでも一目置かれる存在でしたね。「将来は開明の先生になるっ!」と言っていましたが、本当に教員として戻ってきた時はビックリすると同時に、頼もしい同僚を得た思いがしました。仕事ぶりを見ていると、在学中にクラス全員が一丸となって行事に取り組んだ経験が生かされていると感じます。

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