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進学通信No.60-神戸国際
17
6月
  • 進学通信No.60-神戸国際
  • 2016 . No.60 . 校長先生を訪ねて . 神戸国際 . 進学通信 .

神戸国際

-PROFILE-
1952年、兵庫県生まれ。神戸大学経営学部を卒業後、同大学の教育学部へ編入。大学卒業後は日本史教諭として、兵庫県下の複数の高等学校で教壇に立つ。兵庫県教育委員会で教員指導や文化財保護などに携わった後、公立高校の校長を務める。2014年4月より現職。趣味は、家庭菜園。
体験を通じた学びと温かみのある教育を志す

私の教員としてのルーツは、大学時代にあります。考古学研究会というサークル活動を通じて発掘や歴史に興味を抱き、経営学部から教育学部へと編入し、日本史の教員となりました。以来、人の温もりを感じられる教育をモットーとしています。たとえば、日本史は単なる暗記ではなく、各時代の人々の生活や考え方を伝え、それこそが歴史の面白さだということを教えてきました。

また、生徒にものごとを教える際には、まず自分が体験、経験することを心がけました。ある公立高校では、ワンダーフォーゲル部の顧問を担当しましたが、未経験だった私は、まず体験してみることに。するとこれが面白いのです。部員には、私の感じた楽しさや経験を伝えながら指導し、4年連続でインターハイ出場を果たすことができたのです。

独自の教育体制のもとグローバル人材を育成

教育委員会にいた間も、生徒一人ひとりの体験や思いが伝わるような教育体制を作りたいと考えてきました。その点で昨年から赴任した本校は、私の理想とする教育環境があると実感しています。本校は、「豊かな国際感覚を持ち、総合的にチャレンジしながら、未来を切り拓くことのできる女性」の育成を目指しています。そのために、“Sincerity(誠実さ)”“Specialty(専門性)”“Self-Management(自己管理能力)”の資質『3S』を重視し、独自の教育体制を整えています。

その一つがきめ細やかな教育です。本校は、各学級20名ほどの少人数クラスを編成しているため、教員と生徒の距離が近く、一人ひとりに応じて学力を伸ばすことができますし、生徒の性格や思い、夢などを理解しながら情操を育み、進路やキャリアの指導を行っています。私も、生徒全員の顔を覚えています。ほぼ毎日生徒と会話していますし、高3生とは、毎年個別面談を行い、将来の目標を聴いたり、私の経験を伝えたりしています。

中高一貫の女子校であることも、特色の一つです。近年は女性が活躍できる社会の実現が叫ばれていますが、そのためには社会制度の充実とともに、女性自身も自立し、人生を切り拓いていく力を養うことが大切です。

日本では長い間、女性は男性を支えるという文化があります。こうした文化・環境に影響されず、一人の人間としての意識と能力を確立させるには、性別を意識することなくのびのびと過ごせる女子校という環境はベストだと思います。ずっと共学校にいた私も、女子教育のメリットの大きさを実感しているところです。

もう一つの重要なキーワードがグローバル化です。本校は、開校以来、英語とフランス語を学び、生きた会話力を養うなど先進的に国際人の育成を行ってきました。

外国語でのコミュニケーション能力を育むため、本校では生きた外国語や文化に触れる体験を重視しており、高1の『ニュージーランド国立ワイカト大学英仏語学研修』は国際教育の柱として位置づけています。

また、授業では中学3年間の美術と音楽の授業を英語で学ぶ『イマージョン教育』を導入。今年度からは、中1の週6時限の英語授業のうち4時限をネイティブ教員が指導しています。

課外活動としては、中学生は暗唱、高校生はスピーチを行う『英語オラトリカルコンテスト』『仏語リサイタル』、中3全員が英語漬けで2日間を過ごす『イングリッシュ・キャンプ』を実施しています。ほかにも昼休みにネイティブ教員と自由に会話できる『イングリッシュ・カフェ』やインターネットで世界のニュースを英語で見聴きできる『イングリッシュ・ライブ』など、普段から異文化に触れ、国際感覚を身につける環境が整えられているのです。

教育の充実を目指して学校改革に取り組む

昨年度からは、社会や時代に応じた改革を進めています。これまでは“国際教育”というと、欧米を意識したものでしたが、今はアジアを含めた全世界を対象としており、海外連携校の拡大と海外交流体験イベントの充実に取り組んでいます。すでに、韓国やモンゴル、オーストラリア、台湾の中学や高校と連携し、2014年10月は韓国・釜山の高校で世界8カ国の生徒が集まる『グローバル・フォーラム』に参加。そのほか、モンゴルの高校生を本校生徒の家庭に迎え入れるホームステイなど、新しいプログラムに取り組んでいます。海外交流イベントは、語学力を試す機会にもなりますし、日本と海外の違いを発見し、視野を広げるきっかけにもなっています。

この秋には、台湾の高校生を本校に迎えることにしています。また、韓国の『グローバル・フォーラム』で中3と高2の希望者を募ったところ、今年は11名の応募があり、全員参加する予定です。このように、海外との連携強化は、現代の社会ニーズにも、建学の精神である“和”の実現にもつながると思います。

最も大きな改革は、2016年度からの高校入学生の受け入れです。きっかけは、他校の中3生の「一貫校だから、入学できないのが残念です」という言葉でした。そこで、多くの人々にぜひ本校の教育を受けていただきたく決断したのです。高校は3年間ですが、中高一貫生と一緒に学力と人間力、国際感覚を磨き、一人の人間として活躍できるグローバル人材となってほしいと考えています。
こんな学校です
聖徳太子が十七条憲法で示した“和”の心を建学の精神として、1991年に開校された女子の中高一貫校。制服なし、チャイムなしなど生徒の自主性を重んじる教育のもと、豊かな国際感覚と未来を切り拓く力を持つ人間を育成している。中3からは『総合文化コース』『理数・医歯薬コース』に分かれて学び、国公立・私立大学を目指せる学力向上にも力を注ぐ。
真のグローバル人材とは、単に語学に堪能であることや、海外文化に精通していることではありません。まず日本文化を深く知り、それを発信できることと、違いを認める多様性が大切。生徒たちには、そんな力が育っているのです。
受験生へのメッセージ

本校では、少人数教育、女性教育、国際教育を柱にしています。大学進学を見すえた学力向上とともに、体験的な学びも重視しています。自分の知識や経験を伝え、お互いに高め合うなかで、自己や将来の目標が確立できるはずです。本校での6年間あるいは3年間を通じて、自分の力で世界を舞台に活躍できる女性へと大きく成長してほしいと願っています。

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