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進学通信No.60-京都学園
20
5月
  • 進学通信No.60-京都学園
  • 2016 . No.60 . School Update . 京都学園 . 進学通信 .
京都学園
自然の宝庫・深泥池は、氷河期の痕跡が未だに残る地質学的にも貴重な場所。中1の地球学はここから始まる。実体験を通じて深泥池の生態系を学ぶことで、人間社会と周辺環境の関係性を知る、大事なスタートラインだ。


「地球学では生徒のどんな疑問も、全肯定することから始まります。同校の教員はとにかく情熱的で、生徒の『知りたい』に一切の労を惜しまないことに誇りを持っています」(佐藤先生)
カナダ、イギリスでの海外研修旅行のようす。その実体験が、高校での世界史学習へとつながっていく。
学び、本物に触れ、再び学ぶ……そんな学習サイクルが構築されているのが地球学だ。

”教科”と言われてまず思い浮かべるものは、いわゆる主要5教科でしょう。しかし、京都学園では少し違います。英数国理社に『地球学』を加えた6教科。そんな認識が根づいているのです。

グローバル化の波の中、子どもたちに求められる“学力”の定義も変化を見せています。単なる知識量から、正解なき問いに答えを導き出す発想力や、それを支える主体性などが問われる時代へ。『地球学』とは、そんな真の知識と教養を身につける、同校の代名詞とも言える独自の学際的(教科横断型)授業です。

「“知的好奇心を喚起し、地球規模で考える”というのが地球学の原点です」と話すのは、中学部部長の佐藤樹先生。多くのフィールドワークや調査・研究を通じて行う地球学の核は、まず知識を身に付け、経験として“本物”に触れること。「本物に触れ、その驚きや発見が学ぶ意欲を高め、多くを吸収する原動力となるのです」(佐藤先生)

たとえば、地元・京都の地域学を学んだら現地へ繰り出し、地層を自らの目で見る。そうすることで、かつて京都が海だったことを“実感”する。やがてその学びのテーマは京都から日本、世界へと広がり、企業経営、民族、世界の絶滅危惧動物から貧困問題、果ては地球外生命体の存在検証まで、無限の広がりを見せます。『地球学』を受けたいために同校へ入学する生徒もいるほど人気の “第6の教科”となっているのです。

“本物”に触れる学びを大切にしているだけあって、理科の実験が多いのが同校の特徴。その数、中学3年間だけでなんと50回以上!常に校内のどこかを白衣を着た生徒が走り回っているのが日常だ。

地球学の総決算として、中3は全員『卒論』に取り組む。テーマ決定・仮説・検証まで自ら行いコンテスト形式でプレゼンする。「アニメキャラが致命傷を受けても死なない理由」を、科学的に立証する強者も。

近年、減少傾向にある解剖実験だが、同校の鶏の解剖を通じた学びは、臓器の配置や働きを学習するだけでなく、生命の尊さやその上に成り立つ自分たちの食生活にまで及び、感謝の心を育む。

地球学のフィールドワークには、遠方へと出向く“特別プログラム”が多数組まれているのも魅力。阿蘇山では、火山の仕組みや噴火の歴史を学び、実際にカルデラの台地を訪れる。

『収穫祭』では、学園菜園で育てた野菜を収穫し、自ら調理していただく。無農薬なので、雑草対策など手間がかかるが、その感動はひとしおだ。もちろん、農業従事者への感謝も忘れない。

愛宕山に出向いて示準化石(堆積した地層から地質時代を示す指標となる化石)の「コノドント」を採掘。地質学的な京都の歴史を知るきっかけともなる。今夏は、福井県の恐竜博物館を訪れた。

another scene★
“SGHの学びと連動京都の“食”を世界へ

高校は文部科学省の『スーパーグローバルハイスクール(SGH)』に認定。食文化や食糧問題など “食”をテーマに“世界”を学びますが、中学の地球学でも、それと連動したプログラムが多数組まれています。その一つが「より広く京都を世界に発信するには?」という課題。“京野菜について学ぶ→農家民泊を通じて実際の野菜の栽培や、農家の人、その心に触れる→海外研修旅行で、京都の食文化をプレゼンテーションする…”と、学びが連鎖していきます。知的好奇心が育む「考察する力」「疑問を抱く力」は、机上論では身につきにくいもの。しかし同校では、すべての教科が地球学と密接につながりあっており、その“本物”に触れる学びは、生徒たちの学習そのものに対する「知識欲」となっていくのです。

SGHとしてのテーマは「21.3世紀のグローバルナビゲーター育成プログラム構想」。生徒たちが社会の中心となる2030年代に彼らがグローバル人材になっていることを目指す。

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