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進学通信No.59-三田学園
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3月
  • 進学通信No.59-三田学園
  • 2015 . No.59 . PICK UP TOPIC . 三田学園 . 進学通信 .

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決してぶれない教育への志、理念のもと

『Sコース』『Aコース』の2コース制で一人ひとりを伸ばす

名称こそ違えど、私立中学のコース制というと、ハイレベルな進路を目指す特進コースと、幅広い進路に対応する普通コースで構成され、授業のスピードやカリキュラムも全く異なるのが一般的です。しかし、三田学園のそれは少し違います。どちらのコースも、授業時間数や進度は同じで、応用の幅だけが異なるのです。
sanda59-01これまで同校では、いわゆるコース制を敷いてきませんでした。それは同校が、生徒を分け隔てしない教育方針を掲げているため。ともすればコース制には“特進=勉強が得意な生徒”、“普通=そこまでではない生徒”というイメージがありますが、生徒や教師の間にそういった階層意識が芽生えるのは本意ではなかったからです。
 そんな中で、今年度より初めて『S(スーパーアドバンス)コース』『A(アドバンス)コース』を設置したねらいを、松井忠幸校長はこう語ります。
「本校らしさを変えることはありません。むしろ、より本校らしく生徒一人ひとりを伸ばすためです」
写真「早熟タイプもいれば、大器晩成型もいる。そうした個性に合わせて、本人の力を最大限伸ばしてあげるのがこのコース制のねらい」(松井校長)。2020年からの新大学入試制度への対応も始めたいと語る。

具体的には、Sコースはより発展的な授業内容で早期から高い学力を、Aコースは着実な学力定着を図りますが、あくまでそれは生徒本人の個性や勉強の習熟度に合わせることが目的。それぞれが無理なく学べる学習環境を作ることが主旨なのです。
入学後もコースの入れ替えは行われますが、ここでも同校の理念が強く反映されています。毎年の進級時には、約4名がAからSコースへ移ることができ、中学3年生からはAコースの4クラスのうち1クラスが発展クラスとなり、Sコースと同様の授業に取り組みます。

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写真Sコースの授業のようす。この日行われていたのは理科で「人はなぜ猛毒である水銀をあえて産業使用したと思う?」と問いかける先生。ある意味で教科横断といえるこの発展性・探求性が、Sコースの授業の特徴だ。

sanda59-02入学後もコースの入れ替えは行われますが、ここでも同校の理念が強く反映されています。毎年の進級時には、約4名がAからSコースへ移ることができ、中学3年生からはAコースの4クラスのうち1クラスが発展クラスとなり、Sコースと同様の授業に取り組みます。
いっぽうでSからAに移ることも可能ですが、あくまでそれは生徒本人や保護者の希望を元に相談を重ね、Aの学習環境のほうがより本人らしく学べると判断した場合のみ。成績不振によりSからAに「落ちた」という概念は存在しません。中1の学年主任・松田浩明先生も、
「私たちは一人の〝落ちこぼれ〟も〝噴きこぼれ〟も生み出したくありませんからね!」
と、自信をのぞかせます。
その成果もあり、階層意識などまったくないどころか、「よし、自分も来年はSコースに入れるように頑張るぞ!」という健全なモチベーションが生まれているそう。
写真「Sコースだから、Aコースだからといって意識的に分けない指導を心がけたい」(松田先生)。他の先生方も全員同じように語っており、学校としての理念や方向性をきちんと共有できている点も心強い。

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写真左国語の授業ではグループワークを。机に向かって先生の話を聞く講義スタイルばかりではなく、「参加」できるアクティブラーニング要素も大いに取り入れられている。その効果か、積極的に発言する生徒の姿も目立つ。
写真右自ら学ぶ姿勢を育む同校。自習室も活発に利用されており、試験前にはすぐ満席に。


また、同校が設立以来大事にしている〝文武両道〟の精神も色濃く反映されています。コースは関係なくクラブ活動も積極的に奨励しており、伝統的に加入率も高いのが特徴です。コース制はあくまで、勉強の習熟度に合わせて本人らしく学ぶためのものであり、クラブや行事などはどの生徒もすべて同じく取り組みます。制度を変えても教育への志や理念からブレない、同校の誇り高い精神の表れなのです。
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写真左文武両道の精神に基づき、部活動が盛んなのも同校の特徴だ。いわゆる特進コースは、勉学優先で入部や活動時間が規制されることもあるが、同校では逆。Sコースの生徒にも、積極的に参加を奨励している。
写真左校内行事も活発だ。丘ひとつまるまるキャンパスという広大な敷地を生かし、のびのびと育つ生徒たち。これも、勉強だけが人間を作るのではなく、社会に出た時の総合力の育成を大切にしたいという考えから。写真は体育大会での高3レクリエーションのようす。

sanda59-09コース制は今年度から始まったばかりで、具体的な成果はまだ少し先になりそうですが、生徒の学習意欲も目に見えて向上しており、先生たちも確かな手応えを肌で感じているそう。この春に卒業した共学1期生は京阪神大に34名、国公立大に計126名が合格しましたが、6年後はさらに向上することが期待されます。
「近年の勉強はどこか“How to”に流れているような違和感がありました。私たちはもっと“学ぶ”ことの本質に立ち返り、ものごとを調べるとか、本を読むとか、そういう気持ちを育てたい。それが人生につながるはずなんです」
と松井校長が語るように「何を変え、何を変えないのか」の本質を見極めているのが、同校のコース制。今後はもっと生徒の希望に沿った講習を開講するなど、さらなる充実を図る予定です。

(取材・文/松見敬彦  撮影/中森健作)

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