What's new / 進学通信掲載記事 / 進学通信No.59-上宮太子

進学通信No.59-上宮太子
18
11月
  • 進学通信No.59-上宮太子
  • 2015 . No.59 . PICK UP TOPIC . 上宮太子 . 進学通信 .

uenomiyataishi59

先生と生徒が一緒になって自己研鑚を重ねる

『ガンバリシステム』

2020年より導入予定の、新・大学入試制度。詳細はまだ決定していませんが、1点を争う学力テスト一辺倒ではなく、学力に加えて活動実績や熱意・知識の応用力・発想力なども含めた多面的評価の入試になると言われています。2020年といえば、現在の中1生が大学受験を迎えるとき。彼らがその第一期生となるため、今後多くの学校で進路指導体制が変わることが予想されます。

taishi59-01そんななか、大学入試制度改革が話題となる以前から、学業以外の活動やその評価に力を入れていたのが同校。「大学進学は大事な目標だが、成績を伸ばすだけで良いとは思えない」という考えのもと、『ガンバリシステム』なる評価制度を導入しています。学業以外の活動にも客観的な評価項目を作り、その頑張りを認めてあげようというものです。この取り組みのねらいを、教頭の甲斐龍二先生が語ってくれました。
「『ガンバリシステム』は、新しい大学入試においても効果があるかもしれませんが、そのために導入したのではありません。以前から学業以外のことも評価する仕組みはあったのですが、可視化されていませんでした。きちんと制度化して生徒にも分かる形で示せば、それが生徒のモチベーションとなり、もっと伸ばしてあげられるのでは?と考えたのです」
写真関西大・近畿大・龍谷大などに多くの進学実績を持つ同校。「中高一貫の良さを生かして、じっくり時間をかけて自らを磨き、進路選択に生かそうというのが『ガンバリシステム』の原点です」(甲斐先生)

具体的には、「学業」「自己啓発」「生活状況」「資格」「課外活動」の5つの評価項目に分かれている『ガンバリシステム』。
まず「学業」については、学年成績や授業態度、提出物の状況などが評価対象に。なかでもユニークなのが『ガンバリスト』です。これは同校開設時から続く伝統で、特定の試験などにおいて一定の点数以上を取ると、その頑張りを評価して廊下に名前が掲示されるというもの。ただし、成績で序列化することが目的ではないため、順位表示ではなく、あくまで設定された点数をクリアできた全員の名前が掲示されます。その効果は絶大で、ここに名前が出ることが自信となり、生徒たちはみんな一喜一憂しながら前向きに頑張るそうです。

taishi59-04taishi59-06
写真左廊下に掲示される『ガンバリスト』は、生徒たちの誇りでありモチベーションの原点。5教科以外も評価の対象となるのが特徴で、この日掲示されていたのは長距離走の指定タイム達成者たちの名前だ。
写真右「このあたりを見るようにして」と、音楽の授業でのひとコマ。上手に歌うためのコツとして、視点の置き場所に関するアドバイスに聞き入る生徒たち。ほか、大きなアルトリコーダーの穴に指が届かず、四苦八苦する場面も。

taishi59-02「自己啓発」は、どれだけ自分を高めようとしたかの取り組みを評価するもので、図書館の利用率や、自己の振り返りについて任意で提出する作文などがその対象。図書館利用は、多い生徒で通年50~60冊の本を読破します。
「生活状況」は、風紀や生活指導上の姿勢、先生や来校者へのあいさつ、整理整頓ができるかなどを評価、次いで「資格」は英検や漢検への合否が反映されます。
「課外活動」は、委員会や何らかの役員に立候補することや、学外のものも含むボランティア活動への積極性、クラブへの加入などが評価ポイントです。その成果か、同校のクラブ加入率は非常に高く、中学校で9割を超えるそう。数学オリンピックなど、学外のコンクールなどへの参加率を高めることが今後の目標だそうです。
写真浄土宗開祖・法然上人を校祖とする同校。『ガンバリシステム』も、上人の教えを現代に体現したものがその評価項目となっている。生徒たちは登校時、校舎前に建立された上人の像に一礼するのが慣習。

taishi59-05
写真真剣な表情がうかがえる、授業中のようす。『ガンバリシステム』の効果もあってか、頑張るべきところとリラックスしてよいところのメリハリが非常にしっかりしている。

taishi59-03全体的な特徴としては、数値化や減点法を基準とするのではなく、あくまで一定の行動目標に対して到達できたか否かで評価すること。達成できなかったからどうこう、というものではありません。常に、マイナスではなくプラスの評価を軸にしています。
写真『ガンバリシステム』の評価シート。点数化や序列化ではなく、あくまで達成・未達成を基準とし、その達成度合いによってBL(ベーシックレベル)、HL(ハイレベル)、EL(エクセレントレベル)の3段階で評価される。

また、意外な効果として、生徒だけでなく先生たちにとっても良い指標となっているようで、「生徒への評価というより、私たち教員への評価だと思っています。目標が達成できない生徒がいたら、それは教員に原因がある。そんな覚悟で臨んでいます。『ガンバリシステム』は〝これで完成〟ということではありません。生徒の成長を見すえながらより良いものにと改良を重ねていきます」(甲斐先生)
まさに、先生と生徒が一緒になって自己研さんを重ねられる仕組み、それが『ガンバリシステム』なのです。

taishi59-07
写真廊下に設置された『質問コーナー』は、マンツーマンで気軽に勉強の相談が受けられるスペースだ。特に試験前ともなると、多くの生徒が質問に訪れ、いつもにぎわっている。

(取材・文/松見敬彦  撮影/テラサカトモコ)

kininaru
koushikiwebhekihonjouhouhe

学校情報