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進学通信No.58‐常翔学園
23
6月
  • 進学通信No.58‐常翔学園
  • No.58 . キャリア教育 . 常翔学園 . 進学通信 .

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プレゼンテーションの全国大会で準グランプリの

実績を誇る独自のキャリア教育プログラム

_F305820同校が展開する独自の教育スタイル『常翔スタディ・スタイル』において、一つの柱として位置付けられているのが、科学全般を探究することを通じて視野を広げ、“生きる力”と“夢”を育む総合学習『総合サイエンス』です。
大きな特徴の一つは、高校で行われるキャリア教育プログラムとの連動を見すえ、中学ではその基礎作りの場として活用している点にあります。その一環として、中3では職業観と伝える力を養うことを目的に、先人の軌跡を追い、人物ドキュメンタリー作品を作成したうえでプレゼンテーションを行うというグループワークを実施しています。優秀なグループは秋の校内プレゼン大会で発表する機会を得られるのです。
中学校第1期生(2014年度の高1生)は中3のとき、この取り組みの成果を発表する場として、全国の100を超える中学校・高校が参加する『クエストカップ2014』に出場しました。その大会で『人物ドキュメンタリー部門』準グランプリに輝いたことからも、同校の取り組みのレベルの高さがうかがえます。
今回は、2014年秋の校内プレゼンテーション大会においてグランプリを受賞したチーム『カッシーとゆかいな仲間たち』の生徒に、本番までの苦労や工夫、受賞のポイント、この取り組みを通じて学んだこと、自身の成長などについてお話をうかがいました。
写真:プレゼン大会で準グランプリに輝いた『カッシーとゆかいな仲間たち』チームの4名。左から、Sくん、リーダーのTさん、Nくん、Kくん。


各自の得意分野を生かして“魅せるプレゼン”に

DSC_4925写真:校内プレゼン大会に出場するのは、各クラスで選ばれた2チーム。2014年度は、どちらのクラスも同じ人物のドキュメンタリー作品が選出された。
先人の軌跡をたどるグループワークでは、各クラスでロールモデルとして用意した3人の著名人の中から、生徒一人ひとりが興味ある人物を選び、同じ人物を選んだ生徒によってグループを編成します。『カッシーとゆかいな仲間たち』の題材は、『チキンラーメン』や『カップヌードル』の生みの親として知られる日清食品株式会社の創始者・安藤百福氏です。まずは日本経済新聞に連載された『私の履歴書』を読み込み、図書館やインターネットを利用して資料集めを行い、その資料をもとに課題の一つである年表を作成しました。プレゼンテーションの持ち時間は10分間。数々のエピソードの中から、“苦労”にフォーカスすることを決めました。

目指したのは、聴衆を飽きさせない“魅せるプレゼン”。そのための工夫や苦労について、生徒たちは次のように語ります。

DSC_4938写真:資料集めを行ったうえで作成する人物の年表やパワーポイントによる資料のほか、プレゼンそのものの構成力、人をひきつけるパフォーマンスなどが評価の対象となる。
「ナレーターが説明する部分と、安藤氏として語る部分を組み合わせたいと提案し、台本作りを担当しました。意見がぶつかることもあって、私は一度、教室から飛び出したこともあります(笑)。苦労のエピソードを寸劇にしたのですが、当初は棒立ちでセリフを言う予定でした。安藤氏の感情が高ぶるシーンで、“実際に机をバンと叩く”演出をするアイデアが浮かんだのは本番直前でしたが、メンバーはすぐに対応してくれました」(リーダー・T さん)
「パワーポイントに精通したS くんと一緒に、プレゼン資料作りに取り組みました。こだわったのは、観客が見やすい文字の色、その文字を際立たせるための背景の色、シーンに合わせたBGM・効果音選びです。みんなの意見も聞きながら、本番まで修正の連続でした。T さんが教室から飛び出したときは、落ち着くまでそっとしておきました(笑)」(N くん)
「T さんとともに台本作りを担当し、本番では安藤氏になりきって語りました。追求したのは、“笑い”の要素を入れること。寸劇のセリフに、きっと安藤氏は言わなかったであろう現代風の言葉をあえて使ってみたんです。2度目の牢獄入りが決まり『マジかよ!』と言うシーンなどでは、ねらいどおり笑いが起こりました。最大の課題は、いかに緊張せずに最後まで話せるか。文化祭の演劇で舞台に立った経験はありましたが、リハーサルではガタガタ震えてしまって(笑)。不安でしたが、大きな声で話すことができました」(K くん)
「家でもパワーポイントを使う機会があるので操作は得意。今回はそれを生かすことができてうれしかったです。作成段階でのポイントは、寸劇の効果音を入れるタイミング。本番では、テンポよく進む寸劇の流れに合わせて画面を切り替えるという重要な役割を担当しました」(S くん)

準グランプリ受賞のポイントは、調べ学習の成果である年表の仕上がりやプレゼン資料のわかりやすさ、観客を惹きつける構成、プレゼンテーション能力などにおいて、総合的にバランスが良かったこと。各自の得意分野やアイデアを生かし、最後まで試行錯誤を重ねた4人の努力のたまものと言えるでしょう。


プレゼンテーションを通じて

社会で役立つ“生きる力”を得た

DSC_4921このグループワークを通じて生徒たちは何を学び、何を得たのでしょうか。
「印象に残っているのは、安藤百福氏の“ネバーギブアップ”の精神。声まで変えて演じたことで、表現力を磨くことができました。度胸もついたと思います」(K くん)
「知識や経験はすべて自分の血や肉になるという安藤氏の言葉に感銘を受けました。コミュニケーションを大事にしながらプレゼン資料を作るなかで、協調性を身に付けられたように思います。パワーポイントを使いこなすスキルもアップしました」(N くん)「成功の裏には努力や苦労があるということを学びました。何百人という人の前でナレーションを務め、度胸と自信がついたと思います。いかに分かりやすい内容にするかを考えながら形にする過程で、アイデア力も高まったと思います」(T さん)
「ラーメンだけではなく、幅広い事業を手掛けていたことなど、安藤氏の意外な一面を知ることができました。プレゼン資料を作るうえでは、短い文字数で簡潔に伝えることにこだわっていたので、まとめる力がついたという実感があります」(S くん)

著名人の生きざま、精神を知り、準備の過程や本番で得た力は、これから生きていくうえでの大きな糧となるはず。独自の取り組みを通して、同校の生徒たちは着実に、その可能性を広げているのです。
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(写真) 『カッシーとゆかいな仲間たち』チームは、笑いの要素も加えた寸劇を盛り込み、メリハリのあるプレゼンテーションを展開。各自の得意分野を生かした“魅せるプレゼン”が、高評価につながった。中1、中2、教員、保護者が見守るなか実施されたプレゼン大会。「本番では足がガクガク震えるほど緊張(笑)。大きな声で話すことを心掛けました」(Kくん)

(取材・文/小河砂綾  撮影/中川誠一)

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