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進学通信No.58-大阪女学院
22
6月
  • 進学通信No.58-大阪女学院
  • No.58 . 大阪女学院 . 私学タイムズ . 進学通信 .

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 蔵書数約17 万冊を誇る図書館を活用した教育実践で

21 世紀型スキルを磨く

IT環境が整ったことで、グローバル化・情報化が一気に進んだ現代社会。そこで生き抜くために求められる“21世紀型スキル”とは、自ら問題点を見いだし解決する力や、大量の情報の中から必要なものを探し出し課題に応じて編集できる情報リテラシー能力です。この21世紀型スキル育成に向け、同校では図書館を活用した教育実践に取り組んでいます。

osakajogakuin4osakajogakuin5▲約17万冊の蔵書を誇る同校図書館。特に学校の学びに関連する「キリスト教」「英語」「人権」「女性問題」の4本柱が充実。英語多読のニーズに応えるため、近年ではリーディング用の書籍の充実も図られている。図書館は大阪女学院大学・短期大学の学生も利用。論文やレポートに取り組む大学生の姿を身近に見られる環境だ。

同校は明治17年(1884年)に創立した『ウヰルミナ女学校』を発祥とするミッションスクール。「全ての人間は平等である」というキリスト教の精神に基づき、解放教育(人権教育)に取り組む一方、英語教育にも力を入れており、2003年には大阪の私学で初めて文部科学省の『スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール』に指定されました。こうした教育の特色は図書館にも反映されており、館内には「キリスト教」「英語」「人権」「女性」の4本柱の蔵書が充実しています。
「大学に進学した卒業生が、『これらの分野では特に蔵書が充実していて探しやすい』と資料探しに訪れるほどです」と、森上豊子司書は語ります。

osakajogakuin7▶生徒目線の書籍導入を目的に年1回、書店での「選書」を実施。これは教員引率のもと図書委員が書店に赴き、図書館に新しく入れたい本を選ぶ取り組み。「大型書店にて、自分たちで本を選べる体験にワクワクしました」(図書委員Mさん)。「生徒が選ぶと、面白い本が入ってきます。生徒たちの選書は私たち司書も楽しみにしています」(森上豊子司書)

osakajogakuin3約17万冊という蔵書数を誇るのも、図書館の魅力です。併設の大阪女学院大学・短期大学との共用施設ということもあって、館内にはレポートや論文作成のために訪れる大学生の姿が多く見られます。「大学・短大での一人あたりの図書貸出数は全国平均の約4倍です」と森上豊子司書。大学・短大では学生に課されるレポートが多く、図書館利用が必須の科目も実施されています。
同校でも、生徒に情報リテラシー能力を磨かせる“書く”機会を多く用意しているのは同じです。解放教育(人権教育)、キリスト教についての学びなど、中高全学年が年間10数本の作文・レポート作成に挑戦。図書館でもテーマに合わせてパスファインダー(特定のトピックに関連する資料を探す手順をまとめたリーフレット)やリストの作成、調べもののお手伝いをするレファレンス・サービスを通して、自立して資料探しができるようになるためのサポートを心がけています。
(写真)図書委員や教員、司書がオススメ本を紹介する読書週間推薦図書冊子。他にも図書館では、中2生の理科の授業に合わせた魚類に関する資料ガイドや、難民・エイズ・食料問題に関する資料ガイド、北海道修学旅行に向けたアイヌ民族関連の資料ガイドなど、授業や行事に合わせてパスファインダーやリストを作成している。

osakajogakuin1また教員も積極的に図書館を活用。公民科では、高3の「倫理」または「政治・経済」選択者を対象に、大学レベルのレポート作成を課しています。この取り組みを指導する山﨑哲嗣教頭は、「インターネット検索や電子辞書に慣れた今の生徒は、語彙不足であったり、じっくり物事を考える機会が不足しがちです。そこで授業中に図書館に行く時間を作り、書物を通じて情報を精査する機会を与えています」と、図書館活用の意義を指摘します。
◀自身が担当する公民科で図書館を利用した授業に取り組む山﨑哲嗣教頭。「論理的な文章を読み書きする力を磨こうと、現代社会の諸課題についてのレポートに取り組ませています。生徒は参考資料をピックアップするために図書館を利用。図書館では周りにあるさまざまな本に触発され関心が広がります。インターネットに慣れた今の子どもは多くの情報に目移りしがちですが、読書を通じて著者の考えにじっくり向き合う経験を積んでほしいと考えています」

osakajogakuin2一方、国語科では全学年を対象(高3は希望者のみ)に、毎年夏休みに読書感想文を必須課題とし、国語科教員と教師図書委員と司書による審査を経て優秀者を選定しています。優秀者はさらに学外の読書感想コンテストに応募。昨年は高1生が、『青少年読書感想文全国コンクール』でサントリー奨励賞を受賞しました。またプレゼン形式で書評を競う『ビブリオバトル高校生大会』にも参加。2013年度関西大会で入賞する成果を上げています。
▶奥田英朗著『イン・ザ・プール』で、2014年度、『第2回全国高校生ビブリオバトル』に出場した高2・Sさん。「好きな作家は星新一です」

「子どもの読書離れが問題になっていますが、本校には、入学動機が本校図書館だったという生徒も少なくありません」 と、入試対策室長の丹羽朗先生。生徒図書委員の活動も活発で、読書週間の取り組みや、書店での選書にも大きな役割を果たしています。同校の図書館を活用した教育実践を支えているのは、書籍と図書館を愛する教員、司書、そして生徒の存在かもしれないと感じた取材でした。
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▲読書促進を目的に読書週間を毎年設けている。図書委員や教員・司書による推薦文やイラストを掲載した冊子やポスターを本とともに展示。「私たちが紹介した本を同級生が読んで感想を言ってくれるのがうれしいです」(図書委員Kさん、Mさん)。古い作家の本もよく読むというKさんは今回、アガサ・クリスティ著『オリエント急行殺人事件』を推薦。

(取材・文/蔵 麻子  撮影/テラサカトモコ)

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