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進学通信No.58-大阪学芸中等教育学校
17
6月
  • 進学通信No.58-大阪学芸中等教育学校
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“エネルギー問題”をテーマに『学問探究団RYS』、太陽光発電を体験

『学問探究団RYS 』のモットーは“論(R)より(Y)証拠(S)”。現代社会を取り巻く問題や、企業や大学でどのような取り組みが行われているのかを見学・体験する学校外での取り組みです。

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今回のテーマは“エネルギー問題”。メガソーラー(大規模太陽光発電)の可能性を探ろうと、メガソーラー施設を見学。さらにパネル設置から発電まで体験し、太陽光発電の実力や日光量でどれだけ発電に差がつくのかを、その目で確かめました。

1万枚の太陽光パネルが並ぶメガソーラー施設を視察!

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写真8枚の太陽光パネルを実際に設置して発電を体験。パネルの重さは1枚あたり約20kg。「意外と軽い!」という生徒も。発電を始めてすぐに噴水や扇風機が動きだす一方、パネルの前に生徒が立って影を作ると動きが弱まることを実験。「このパネル1枚の最大出力は275W。ドライヤーの消費電力が700Wだとしたら3 枚あればすぐドライヤーを使えるね」との職員の説明に、皆納得。

gakugei04写真このメガソーラー施設を開発した株式会社エイワットの案内で、施設を見学する生徒たち。「約400世帯の電力がまかなえる」「年間約4000万円相当の電気を発電」という説明に驚きながら、太陽光発電の仕組みを学んだ。

gakugei072 0 1 1 年から始まったRYSに初回から参加しているというSくん(高1)は、「中2のときのRYSで『JAXA(宇宙航空研究開発機構)』による宇宙での太陽光発電の話を聞いてから、ずっと興味がありました。僕は工学部志望ですが、自分の『好き』だけでは人の役に立つものは作れませんよね。だから現場や世の中の問題を知りたい。文系・理系にとらわれずいろんなことを体験できるRYSは、毎回面白いです!」と目を輝かせます。
実は今回のRYSには、大学主催のビジネスプラン・コンペティションに挑戦しているメンバーも「ビジネスアイデアのヒントを得たい」と参加。未来を見ている彼らに、頼もしさを感じる取材でした。


原発?自然エネルギー?答えのない問題に向き合う

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写真施設見学前に、株式会社エイワットの職員から、太陽光発電の仕組みやメリット・デメリット、太陽光パネルの能力や発電システム、発電システム導入にあたってどのような調査や行程が必要なのかレクチャーを受けた生徒たち。「工事にはどのくらいの期間や費用がかかるの?」「パネルの掃除って必要?」などの質問が飛び出した。

gakugei05同社職員が大学時代にパプアニューギニアへのODA(政府開発援助)で太陽光発電と風力発電を設置した話に興味を示し、質問していたSさん( 高2 )。彼女は取材クルーに、手づくりの名刺を手にあいさつ。「今年から起業プランを考えるチームに参加していて、何かアイデアを得られるのではとRYSに参加しました」。今後、高1時でのビジネスプラン・コンペティション大会参加を必須にする計画が検討されている。

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写真施設の方と記念撮影。この施設の運営者であり、市民共同発電や、教育機関での講義を通じた自然エネルギー・環境啓発活動にも力を入れている株式会社エイワットの代表取締役・柴田政明さん(写真後列左)は、10年かけて自然エネルギー事業を展開してきた思い、北海道でのソーラーエネルギーシェアリングと農業・酪農が一体化した施設建設計画など、情熱を持って生徒に伝え、「自分が進むべき道を中高時代に見つけてほしい」と語った。

Web

『ユネスコスクール』として取り組む環境教育

ユネスコが推進する、ユネスコスクールに2011年より加盟している同校。世界の人々が助け合い、平和で安全な地球環境づくりに貢献できる人材育成を目指し、持続可能な開発のための教育に取り組んでいます。
「現在の我々にとってエネルギー問題は答えがありません。生徒たちはいずれこの問題に取り組まなければならない。だからこそ、いろいろな考え方や現場、取り組みを知って参考にしてほしい。今回のRYSは、そんな意図をもって企画しました」(RYS担当/研究開発室 室長・良本完爾先生)
また、同校は環境マネジメントシステムを確立するなど学校を挙げての環境対策にも力を注いでおり、2009年には(財)地球環境戦略研究機関・持続性センターが主体となって推進する『エコアクション21』に近畿圏の学校では初めての認証・登録を受けています。

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写真写真校舎本館7階屋上に設置されている太陽光発電システム。生徒は学内に設置されたモニターを通じ、1日の発電量や使用電力量を見ることができる。

gakugei11写真自治会・生徒会が主体となって行っている『ペットボトルキャップ回収運動』。2月には全部で約36kg(14,400個分相当)のキャップを発送。これは18人分のワクチン寄付に相当する内容。
「本校では『エコアクション21』に認証・登録の前後から、生徒を交えた環境保護活動に力を入れ始め、『マイボトル運動』『ペットボトルキャップ回収運動』などの取り組みがあります。ユネスコスクールとして地球環境を考えるといっても、生徒には規模が大きすぎて実感がないものです。そこでまずは“Think Globally,Act Locally.”をキャッチフレーズに自分の足元から行動しようと始めたものです。私自身も本校がユネスコスクールに加盟して以来、ESD(持続可能な開発のための教育)担当者として、生徒に環境教育を行ってきましたが、ものを大切にする生徒が増えてきたのを感じます。自分だけがよければいいのではなく、次の世代に受け継ぐという意識が徐々に芽生えてきたのではと実感しています」(ESD担当/募集対策部長・金宮嗣允先生)

(取材・文/蔵 麻子   撮影/合田慎二)

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