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進学通信No.57 - 帝塚山
17
3月
  • 進学通信No.57 - 帝塚山
  • No.57 . 帝塚山 . 私学タイムズ . 進学通信 .

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地域の活動から世界大会まで
ロボット班独自の幅広い活動を通じて
好奇心を喚起し人間力を培う

tezukayama57-04創部7年目となる同校の理科部ロボット班は、さまざまな世界大会に出場してきた実績があります。現在は中高合わせて50余名が所属。「ロボット班で活動したい」という強い思いで入学する生徒もいるほどで、いまや同校を代表するクラブの一つです。世界大会につながる大会は年間に3つ開催されますが、その一つに、自律型ロボットによる国際的なコンテスト『WRO』があります。これはロボット競技を通じて先端科学技術に直に触れ、創造性や問題解決力、チームワークを通じたコミュニケーション能力とともに、科学技術やものづくりへの関心・意欲を高めることを目的とするものです。その国内公認予選会である『WRO奈良2014』が、8月3日、同校で開催されました。全国各地で行われる予選で優勝したチームは、国際大会出場を決める『JAPAN決勝大会』に進むことができます。同校からは、中学生の4チーム、高校生の2チームが参加しました。

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(写真)ルールさえ理解すれば、ロボットに精通していない人でも、「果たしてミッションをやり遂げられるのか?」というドキドキ・ワクワク感を味わえる競技。写真は高校生部門の本番のようす。チームのメンバーたちの思い入れの強さによるものか、ロボットをフィールドに置いた瞬間には、独特の緊張感が漂う。

そしていよいよ本番です。各チームのロボットが順に登場し、参加者全員が見守る中、フィールド内で作業を行います。フィールドに置いてスイッチを入れたら、あとはプログラムどおりに動いてくれることを祈るばかり。
結果、中学生部門では、インパクトのある機構で注目を集めた同校の『T-unicorn』チームが3位、独創的な走行とすぐれた機構で評価された『T-trinity』チームが審査員特別賞を受賞。高校生部門では『帝塚山秘密結社』チームが優勝し、全国大会出場を決めました。

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(写真左)大会のルールでロボットのサイズが定められているため、本番前には車検が実施される。機構やデザイン、プログラムは自由。生徒たちの豊かな創造性が反映された個性的なロボットがずらりと並んだ。
(写真右)本番前には、チーム代表から勝負にかける意気込みが語られた。国際大会に毎年出場し、プレゼンテーションの経験も豊富なロボット班メンバーは、終始リラックスした雰囲気。「世界大会では、海外のチームによる格段にハイレベルなロボットや、流ちょうな英語によるプレゼンテーションを目の当たりにします。そういう意味では、本校の生徒の意識の中にある“スタンダード”は、非常に高いと思います」(仲島先生)

tezukayama57-07競技終了後には、現在大学の理工学部に在籍するロボット班OBによる講演を実施。ロボット班での経験が生かされている大学でのサークル『自動車工学研究会』での活動内容や、ロボットベンチャーを起業するという夢を達成するための取り組みなどが語られ、生徒たちは静かに聴き入っていました。
(写真)ロボット班OBの慶應義塾大学理工学部1年・川埼陽祐さん。「車もコンピューター制御されたロボットの一つ。ロボット製作の経験を車づくりに生かすことで、大学の『自動車工学研究会』に新しい風を吹かせたい。また、このサークルでの経験を生かしてロボットベンチャーを設立できたあかつきには、世界のニーズを見すえたロボット製作に取り組みたい」と力強く語った。

「大会が近づくと日曜も登校し、朝8時から夕方6時までテストや調整を行いますが、勝つためにはそれでも時間が足りないくらいで、体育会系クラブ同様の厳しさがあります。それでもやり続けることが、大学での学びや社会で生きる“失敗の経験”を積み重ねることができるという点に、大きな意義を感じています。勉強では正解することが求められますが、ロボット製作に正解はなく、大会の基準さえ満たしていれば、構造やプログラム、デザインは自由ですし、何回作り変えてもいい。つまり、“何回失敗しても大丈夫”なのです」 と、顧問の八尋博士先生。

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(写真)フィールドの材質が練習とは異なるため、ロボットが色を見分けるときの基準となる光の反射量の値のほか、タイヤの摩擦係数も変化。本番前の試走では、チームのメンバーで意見やアイデアを出し合い、細かいプログラム調整を行う。時間ぎりぎりまで挑戦し続ける姿勢が印象的だった。

また、もう一人の顧問・仲島浩紀先生は、「大会で評価されることを通じて、コミュニケーションが苦手な生徒も自信を得ることができ、次の機会を楽しみにするほど積極的になり、人前で話すということの教育効果の大きさを実感します。今年から新たにスタートさせたのが、地域の小学生を対象としたロボット教室です。実施したのは6月ですが、入部して間もない中1に指導係を担当させたところ、驚くほどの成長が見られました。競技人口がまだまだ少なく、評価を得るチャンス、世界のレベルを知るチャンスが大きいことも魅力だと思います」 と話します。
tezukayama57-08生徒たちからは、「活動を通じて、論理的に考える力や仲間と協力する力を養えました」「完成までの過程におけるチームワークの大切さを実感しています」「今回の問題点を改善して、来年の高校生部門に出場したい!」といった言葉が聞かれました。社会で活躍するために欠かすことのできない思考力や表現力、連携する力、失敗を生かす精神力、さらなる高みを目指して努力するたくましさが、着実に培われているのです。
(写真)高校生部門では『帝塚山秘密結社』チームが見事優勝を飾り、全国大会への切符を勝ち取った。数々の大会を経験し、高いコミュニケーション能力や自信を培ってきた3人だけあって、壇上に立つ姿も堂々たるもの。

(取材・文/小河砂綾  撮影/池本  昇)

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