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進学通信No.56-京都橘
03
3月
  • 進学通信No.56-京都橘
  • No.56 . 京都橘 . 校長先生を訪ねて . 進学通信 .

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教育理念“自立・共生”を柱に
“文武両道の進学校”を目指す

「生徒が誇れる学校に」という思いが原動力に

小学生の頃、町内のソフトボールチームの監督として熱心に指導する父の姿を見ていて、“教える”ことへの興味が芽生えました。将来の職業として教師を意識するようになったのは、自営業の父が実は教員志望だったと知ってからです。私が中3のとき、体育の先生がケガをした生徒に手際よく応急処置を施す場面に遭遇し、「体育の先生っていいな」と思うようになりました。
バレーボールの道に入ったのは中学時代です。それまでは甲子園やプロ野球選手にあこがれる野球少年でした。たまたまバレーボール部を見学する機会があり、実際に体験してみたところ、運動神経には自信があったのになかなか思うようにできない。それがとてもくやしくて、入部を決めました。
その後、大学のバレーボール部の監督の薦めもあり赴任したのが京都橘女子高等学校です。体育科教師兼バレーボール部顧問としてでした。「5年でバレーボール部を京都府トップに」とも言われていました(笑)。

fac_02 私が赴任した当初、大きなショックを受けたことがありました。生徒が「どうせ橘やし」と学校を卑下するような言い方をしているのを耳にしたのです。生徒が誇りに思えるような学校づくりの一端を担うためにも、“バレーボールの橘”と言われるくらいにならなければ…そう強く思いました。当時、本校では日曜にクラブ活動が行われておらず、強豪チームを育て上げる土壌はありませんでしたが、体育の授業で部員をスカウトしながら、必死にバレーボール部のレベルアップに努めました。結果、5年目には京都府2位に、10年目には京都府でトップの座に輝くことができました。
体育科教員として、またバレーボール部の顧問として常に心がけてきたのは、生徒一人ひとりの個性と、その背景にある生活環境全般を把握することです。家族構成や友人関係などはもちろん、両親にどのように育てられ、その両親に対してどのような思いを抱いているのかといったことも知っておけば、より適切な言葉をもって指導することが可能となります。テストの点数の上がり下がりには、その時々の精神状態が影響することが少なくありませんが、その揺れを理解するうえでも、そうした情報が大いに役立つのです。
今年度から、校長という立場になりました。この機会に他の教員にも、そうした点に留意しながら指導するように伝えていきたいと思っています。


高い学力を社会で生かせるバランスの良い人物の育成に注力

本校が男女共学になる際に掲げた“自立・共生”という教育理念は、教職員により議論を重ねて生み出したものです。本校ならではの伝統である、教職員が一致団結して考え、決断するという気風と、それによって得られた最大の財産である教育理念は、これからも変わることはありません。
それらを伝統として受け継ぎながら、“文武両道の進学校”へと進化を遂げたいという思いがあります。“進学校”という点については、今年度の大学入試で50名、来年度は80名、再来年度には100名の国公立大学合格という目標を掲げ、その実現に向けて改革に取り組んでいるところです。その一つとして挙げられるのが、授業力や指導力を含めた教師個人の力量の向上です。まずはそのベースとなる部分を強化する目的で、センター試験の担当科目の問題を半分の時間で解く、という課題を出しました。
tachibana01 また、入試日程を変更する中学『Vコース』は、中高一貫のコースですが、来年度入学生から高校進学時のコース変更を可能とします。これにより、生徒一人ひとりがより適切なコースで学び、確実に力を伸ばすことが可能となります。
もう一つの“文武両道”に関しては、進路実現を第一としながら、チームでプレーするスポーツを始めとする部活動や生徒会活動を、無理強いではなく奨励し、勉強だけではないという意味での“文武両道”を実践できる雰囲気づくりを進めたいと考えています。現代社会では、自分の視点からでしか物事を見ることができない人が多いように感じますが、それでは高い学力を備えていても、社会で生かすことができません。あらゆることに興味・関心を持ち頑張ることを通じて、広い視野やコミュニケーション力、相手の心を読み取る力、自分の感情をコントロールする力などを備えた、バランスの取れた人物に育ってほしいと思います。
本校では創立以来、“自学自習”“情操陶冶”という建学の精神に基づいた教育を実践してきました。『全校コーラス』もその一環です。女性の活躍の場が広がり、男女平等の社会になったとはいえ、優しさや繊細さ、真面目さ、粘り強さといった女性の特性を重視した伝統の女子教育の良さは大切にしていきたいという思いがあります。
また“自学自習”の精神は、現代社会を生き抜くうえで必要な“自立”を育むことを目指すものでもありますから、そういう意味でも受け継がれていくべきものだといえるでしょう。その中で、学習・進路指導体制のさらなる強化と、さまざまな局面を乗り越える強さを培う部活動の活性化を図り、より多くの生徒の進路実現に向けて進化し続けていければと考えています。
当然のことですし、こんなことを言ってはお叱りを受けそうですが、今の私は校長としての責務を最優先し、大好きなバレーボールを指導する時間は大幅に減っています(笑)。でも、そんな私の姿を見て他の教員は何かを感じてくれていますし、レベルアップに努める教員の姿を見て、生徒にも何かを感じ取ってほしい。意識の高い集団づくりをもって、先述の目標達成を目指す所存です。


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tachibana02 みなさんは今、ほぼすべての運動神経が形成され、あらゆる物事を短時間で吸収できる“ゴールデンエイジ”と呼ばれる時期にあります。個人差はありますし取り組む内容にもよりますが、小学生から14歳くらいにかけては、特にすばらしい吸収力を備えているのです。学校は、その大切な時期を過ごす場所。自分にとって「勉強って面白い!」と思える環境が整っているかどうか、という視点で学校選びをしてほしいと思います。本校は、その充実した“黄金期”を過ごせる環境を用意しているという自負があります。ぜひ一度、足を運んでみてください。

 

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1902年、当時としては先進的な理念“女性の自立”を掲げ創立された『京都女子手芸学校』を起源とする伝統校。2000年に男女共学となり、2010年には『京都橘中学校』を開校。近年は、創立者の精神を受け継ぐ教育理念“自立・共生”に則った “文武両道を目指す進学校”というスローガンのもと、難関大学への進学指導とともに、全国レベルのクラブ活動を始めとする自主自治活動にも注力している。

 


三輪 欣之(みわ よしゆき) 校長先生  PROFILE 

img634 1960年生まれ、京都府出身。教師を志すようになったのも、その後の人生を決定づけるバレーボールとの出会いも中学時代。日本体育大学卒業後、京都橘女子高等学校(現京都橘高等学校)に赴任。無名だった女子バレーボール部を、10年で京都府トップの座に導いた。全日本高校選抜・全日本ジュニア女子チームの監督を歴任。同校副校長を経て、2014年4月から現職。

 

(取材・文/小河砂綾 撮影/中川誠一)

 


 

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