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進学通信No.56-神戸山手女子
19
1月
  • 進学通信No.56-神戸山手女子
  • No.56 . 校長先生を訪ねて . 神戸山手女子 . 進学通信 .

No.56_kobeyamatejoshi

90年間受け継がれる建学の精神を礎に
学力と人間力をバランスよく育む

生徒にも教師にも夢を持って努力してほしい

私が教師として初めて教育の現場に立ったのは、まだ大学院生だった頃のことで、大阪の公立高校で非常勤講師を努めていました。
今でも忘れられないのが、そこで先輩の教師が言ってくれた「生徒を嘆くな」という言葉です。これは単に、対応に苦慮する生徒がいるからといって、「あの生徒は駄目だ」などと嘆いたり、愚痴をこぼしたりするのはよくないということだけを言っているのではありません。そうやって嘆いてしまうのは、無意識のうちに、教師にとって都合のいい、指導しやすい生徒を求めてしまっているからではないか。しかしそれは間違いで、そもそも教師の使命は、教育を求めている生徒を育て上げることにあるのだ。そうした教育者の持つべき考え方や姿勢を示唆したものだったのです。教師として経験を重ねるごとに、その言葉の意味を強く実感するようになり、常に心に留めて、生徒たちに接してきました。
校長として教育の現場に戻ってきてからは、生徒たちに「努力する者は希望を多く語り、怠惰な者は不満を多く語る」という言葉を伝えるようにしています。作家の井上靖氏の小説の一節を少しアレンジしたものですが、的を射た素敵な言葉だと思いませんか。先述の先輩教師の言葉にも通じる部分があるかもしれません。生徒はもちろん、教師にも夢を持って努力してほしいという思いを込めて、本校でも前任校と同様、3学期の始業式に式辞の中でこの言葉を贈るつもりです。


バランスの取れた学校生活が成長に不可欠

子どもたちの健全な発達のために、また進路の実現や社会での活躍を目指すうえでも、学習活動、部活動、学校行事、生徒会活動のバランスがとれていることが肝要だというのが、一教師としての持論です。今年4月に校長として赴任してからも、その観点から本校の教育を見つめてきました。
school_koubeyamatejyoshi その中で印象的だったのは、学習面におけるプログラムの一つ、予備校講師による『アドバンスト講習』です。大学受験に向けて、外部の教育力を積極的に活用し効果的な学びを展開できるのは、私学ならではの魅力です。近年、本校の卒業生の約7割が4年制大学への現役合格を果たしているのは、こうした取り組みの成果といえます。
一方、今後もっと活性化させたいと考えているのが部活動です。部活動の意義は「皆でルールを守る」「一つの目標に向かって皆で努力する」「たとえレギュラーに選ばれなくてもチームのために我慢する」といった経験を通じて、受験や社会で求められるメンタルの強さが養われ、人間的に成長できる点にあります。進学に対する意識・意欲が高まっている本校だからこそ、より多くの生徒に加入してほしいという思いがあります。遠方から通う生徒が多いということもあり、難しい部分ではありますし、決して無理強いをするつもりはありません。ただ、やりたいという気持ちがある生徒には、ぜひ参加し、人生の糧となる強さを身につけてほしいと思っています。


良き伝統はそのままに進路実現の体制を強化

本校は今年、創立90周年を迎えました。その“伝統の力”は、週に1度、高校生全員で合唱練習を行う『全校コーラス』の時間に感じ取ることができます。本校に赴任した当初、そうした時間を設けていることに驚きました。しかもそれが、1953 年から60年間という長きにわたり続いていると知り、すばらしいと思いました。毎年春の選抜高校野球大会開会式での大会歌の合唱も、1955(昭30)年の第27回大会から参加し、今年で60回目を迎えております。『全校コーラス』の練習風景を見ると、単に歌唱の技術を高めるための場ではなく、教員が「仲良くしなさい」「礼儀を身につけなさい」といった言葉を口にすることなく、理屈抜きに、心を一つにすることや礼儀の大切さを教える場ともなっていることがわかります。
DSC_1827 本校では創立以来、“自学自習”“情操陶冶”という建学の精神に基づいた教育を実践してきました。『全校コーラス』もその一環です。女性の活躍の場が広がり、男女平等の社会になったとはいえ、優しさや繊細さ、真面目さ、粘り強さといった女性の特性を重視した伝統の女子教育の良さは大切にしていきたいという思いがあります。
また“自学自習”の精神は、現代社会を生き抜くうえで必要な“自立”を育むことを目指すものでもありますから、そういう意味でも受け継がれていくべきものだといえるでしょう。その中で、学習・進路指導体制のさらなる強化と、さまざまな局面を乗り越える強さを培う部活動の活性化を図り、より多くの生徒の進路実現に向けて進化し続けていければと考えています。


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本校は、受験指導だけに偏ることなく、多彩な学校行事や、現実の社会に触れる機会を数多く用意した独自のキャリア教育を実施しています。自立した女性となるために必要な、広い視野や社会性などを培うことにつながる多様な取り組みを展開しているのです。一人ひとりの生徒が、求めている学びに出会うことができる場所といえるでしょう。今後も、時代の変化に対応した教育、生徒や保護者のさまざまなニーズに応える教育の実践に努めていきます。本校に来れば、きっと目標や夢を見つけることができるはずです。

 

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IMG_28111924(大正13)年に創設された山手学習院を起源とする女子校。創立以来の建学の精神“自学自習”“情操陶冶”を受け継ぎ、「豊かに自立した人間性を育む」女子教育を展開している。多様な進路希望に対応するコース制、レベルや目標に合わせて学べる学習プログラムなど、進路実現に向けた支援を充実させるとともに、独自のキャリア教育を取り入れ、学力と人間力をバランスよく育成している。

 


平井 敬員(ひらい ひろかず) 校長先生  PROFILE 

140616_00331953年生まれ、大阪府出身。詩吟の師範だった父親の姿を見て、“教える”ことに興味を抱くようになったことが、教師を志すきっかけに。神戸大学大学院文学研究科修了後、公立高校に赴任し、国語科教諭として教鞭をとる。その後14年間にわたり、兵庫教育委員会事務局などに勤務。兵庫県立長田高等学校長を経て、2014年4月、神戸山手女子中学校・高等学校校長に就任。

 

(取材・文/小河砂綾 撮影/金子直樹)

 


 

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