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進学通信No.55-東洋大学附属姫路
01
9月
  • 進学通信No.55-東洋大学附属姫路
  • No.55 . 思春期の育て方 . 東洋大学附属姫路 . 進学通信 .

himeji

 

“ 考える力”を育む教育を実践
自らの力で未来を切り拓くグローバル人材を育てる

 

hutaba1“考える”を学ぶ =『キャリア・フロンティア』

今年4月、姫路市初の男女共学中高一貫校として、満を持して開校した東洋大学附属姫路中学校。
「難関大合格を目指すだけでなく、その先の大学生・社会人として活躍できる力を育む」という明確な教育目標に基づいた、多くの斬新な教育手法が期待と関心を集めています。

IMG_8463その一つが、物事の本質をみすえて、深く“考える力”を育む教育プログラム『キャリア・フロンティア』。同校の教育の核として位置づけられており、そのねらいを中高一貫コース主任の黒河潤二先生は、「『キャリア・フロンティア』を通して、生徒たちの〝情報編集力〟と〝情報発信力〟の育成を目指しています」と力強く語ります。
まず〝情報編集力〟とは、得た情報や相手の言っていることを、自分なりに理解して整理できる力。そして〝情報発信力〟とは、編集した情報を的確に他者に伝えられるコミュニケーション能力のことです。なぜこれらが大切なのか、黒河先生は、プログラムのねらいをこう語ります。
「いつの間にか勉強はテクニック化し、効率的な記憶力勝負となっていました。しかし、そんな旧来型の学力だけを高めても、社会では通用しない時代です。難関大の入試を分析しても、これらの編集力・発信力を測る問題が増えていることがわかっています。座学だけでなく、高いレベルのコミュニケーション能力を育成するためにも、生徒が主体的に取り組むプログラムが必須だと考えました」
一つのテーマに対し、主体的に課題を見つけて行動に移す能力は、今後のグローバル社会で求められる力そのもの。これらを今からきちんと身につけようという考えです。

IMG_8525 『キャリア・フロンティア』の基盤にあるのは文章を「書く」という作業、さらに発表や討論などを通して〝情報発信力〟の基盤となるコミュニケーション能力の育成が図られています。さらに、さまざまな〝課題研究〟に取り組むことにより、〝情報編集力〟を無理なく身につけ、〝情報発信力〟に磨きをかける工夫もなされています。
例えば「職業」と結びつける学習であれば、同校の地元・姫路市の地場産業を調べ、学んだことや身につけたスキルを将来の進路選択に結び付ける授業を行います。さらに、野外オリエンテーションとも結び付け、そこで得たものや活動の中で知ったクラスメートの個性や頑張りを新聞形式に編集して発表するといった授業も実施されています。もちろんその過程では、プレゼン技術や必要なPCアプリケーションの使用方法などのスキルも習得していきます。

(写真)ネイティブ講師による英会話。英語の授業とは別に行われる。


hutaba1『国際交流プログラム』でグローバル人材を育てる

同校では、高いレベルの英語運用能力を身に付けさせるために、週6時間を英語の授業にあてるだけでなく、英会話の授業では、クラスをさらに分割して15名程度で行っているほか、東洋大学と連携した『国際交流プログラム』を準備。グローバル社会に求められる人材のキーワードを“独創性+多様性”と見すえ、自分の考えを発信できると同時に他者の価値観を受け入れる寛容性を育みます。そこで行うのが、ディベートの授業。ほかにも英語レシテーション(暗誦)や、東洋大学の教授や留学生の協力を得た日本語禁止の英語キャンプ、ホームステイなども導入する計画です。
「自己主張するばかりがプレゼンテーションではありません。“個”を重んじるのであれば、他者もまた大切な“個”であることを理解できなくては。それが国際化の進む社会の中で、最も生徒たちに身につけさせたい力です」(黒河先生)
また、それらの具体的スキル習得と同時進行で、グローバル社会でのマナーを身につけることも忘れません。月に1回行われる、礼法やマナーなどの授業を経て、国際人たる大人の立ち居振る舞いを学びます。さらに、「海外を知ることも大事だが、それ以前に日本人として、日本文化を知るべき」と、男女分け隔てなく華道・茶道もたしなむほか、学校のすぐ裏手に位置する書写山圓教寺で、座禅や写経にも取り組みます。


hutaba1「受け身の学習」から「学び取りにいく学習」へ

IMG_8538『キャリア・フロンティア』『国際交流プログラム』を横断して生徒の自主性を育てつつも、それが日々の教科学習にも投影されなければいけません。そのため同校では、「自学自習」を勉強の基本姿勢としています。
自ら目標を設定して積極的に学ぶ習慣をつけるため、『TOYO Life』と名付けられたオリジナルの学習記録ノートを活用して、日々の学習にPDCAサイクル(※ Plan【計画】、Do【実行】、Check【評価】、Act【改善】をくり返し、計画的に改善していくこと)を導入。その日の授業を振り返る→家庭学習でするべきことを計画→ノートに書き出す→家庭で勉強→計画通りにできたかどうか自己採点→過不足を先生からアドバイス……とくり返しながら、とにかく「自分で考える」ことを習慣づけます。「やらされている」のではなく、「自ら取り組む学習」への転換を図ります。
このように、単なる知識の習得や受け身の学習から脱却し、自ら課題を見つけ、学び取りに行く価値観への転換を図る同校の教育。今後は、論理的思考力を育むため、探求型のプログラムも準備しています。
「ほかにも、ディベートで、『なぜコンビニの深夜営業は必要か?』といった、正解のないテーマで考えさせるのも面白いでしょうね」
と、黒河先生は展望を語ります。東洋大学の建学の精神“諸学の基礎は哲学にあり”の言葉そのままに、自立心と人間性を兼ね備えた子どもたちを育てる――そんな同校の教育に対する期待と注目は高まるばかりです。

(写真)自立学習用の記録ノート『TOYO Life』。

(取材・文/松見敬彦  撮影/合田慎二)

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